ドル基軸通貨制度崩壊か?
トランプ政権での反中親露、保護主義、移民政策などが政権人事でも明らかに実施の方向であることが分かる。ということは自由貿易をしないために、他国はドルでの外貨準備を止めることになる。すなわち、ドル基軸通貨の崩壊である。これを検討しよう。
国務長官人事
トランプ政権の国務長官はエクソンモービル会長の親露派ティラソン氏になり、副長官にネオコン反中派のジョン・ボルトン氏という布陣のようである。
ということは、安倍首相が目指していた中国包囲網の完成である。安倍首相のプーチン東京会談を不服とするオバマ政権は反露親中派政権であったが、反対にトランプ政権は、親露反中政権である。ロシアと協定を結び、中国の拡張主義に反対する立場を米国の次期政権は明確化することになる。
ディプロマット誌の記者パンダ氏も、反中親露政権になると言っている。
この米国の次期政権の方針を見て、比ドウテルテ大統領も米国との同盟関係を維持方向にシフトしている。
中東戦争
ということは、中東でISが崩壊した後、米国は撤退することが確実であり、ロシアがシーア派に付き、米国の武器を買うサウジアラビアが地域のスンニ派のサポートをすることになる。イランやシリアにいるスンニ派民族の自立を助けるために、戦争が起きることになる。シーア派対スンニ派は宿命的な対決状態になる。この戦いを英米が裏で暗躍する。しかし、英米は表に出ない。
サウジは、米国に頼れないので、石油を買わない米ドルリンクを止めて、中国の人民元とのリンクと引き換えに中国を呼び込むことになる。
中国としては、人民元発行高が急拡大してドルとの準リンクも維持困難である。その時に石油とのリンクができるということは、基軸通貨になることを意味しているので乗るしかない。通貨維持に大きなメリットがある。
しかし、このような中露対決を仕掛けていくのが米国である。中国のニ正面作戦化でもある。中国に太平洋戦線と中東戦線に戦力を拡散させていくことが狙いがある。
この時、イスラエルが心配で、つい最近もシリア政府の空軍基地を爆撃しているので、スンニ派を間接的にサポートしている。本当はシーア派ヒズボラがシリア軍の中心であり、それを叩くことであるが、それが裏目に出る可能性を心配する。
このような中東戦争を米国はロシアに仕掛けていくはず。戦争しか米国経済の復活がないからである。
アジアでは、反中国として、アジア諸国の軍備拡張を米国は同盟国に求めてくる。日本の軍備費を今の倍以上にと求めてくる。予算規模は10兆円規模になる。この半分程度が米国防衛産業に渡る。
日本は断ることができない。トランプ次期大統領のドル高円安政策で経済は好調であり、米国内での日系企業工場での利益も順調となり、安倍首相は軍備費の倍増をする。ということで戦争の季節になる。
しかし、その裏では現状ドル通貨の維持が不可能になることが確実であり、この解決には世界戦争しかないことが原因でもある。特に米国がである。
米ドル基軸通貨制度の崩壊
米国のドルが基軸通貨である理由は、米国が自由貿易を推進しているので、途上国の産品を買ってくれるからであり、特に石油産出国サウジがドルリンクしていることが大きい。もう1つが、米国の投資が大きく、その投資を呼び込むためにドルリンクしている。
しかし、この前提条件が無くなる。石油を米国は買わなくなり、自由貿易を止めて保護貿易にするために、新興国も途上国もドルリンクする必要がない。米国からの投資もなくなる。投資を引き上げるので、投資のためなら人民元の方が良い。
このようにドル通貨が基軸通貨ではなくなるが、世界で通用する通貨としては、ドルに代わりIMFのSDRになると評論家は言うが、これは基準でしかないので、通貨としての意味がない。
もちろん、中国のようにSDRに沿って外貨準備高を持つ国もあるが、それは例外である。このため、中国は日本国債を大量に買っている。
ということで、石油産出国サウジも石油を買わない米国ドルから石油を買ってくれる中国の人民元に代える可能性がある。
石油取引がドルから人民元になると、世界の基軸通貨は人民元になるかというと違うようである。日本は依然としてドル圏内に留まるし、西側諸国はドルまたはユーロ圏にいる。
しかし、徐々にドル基軸通貨制度が崩壊していくことになる。人民元、ユーロ、円が同時に広まることになる。ユーロは、ユーロ圏崩壊になる可能性があり、ユーロがドルに代わって基軸通貨になる可能性は低いと見るし、英国ポンドはほとんど無理である。
となると、円か人民元となるが、現時点では人民元が優位である。
しかし、G2の米中対決となると、どうなるかでしょうかね?
米国経済の活況と崩壊
米国の2017年は、大統領権限でできる移民制限や保護貿易が中心になり、米国経済は大きな落ち込みを経験することになる。これを支えるのが、海外からの米国内への投資である。孫さんの提案のような投資が増える。
この前提条件が保護主義で海外からの製品に35%もの関税を掛けるので、米国に工場を建てる海外企業が増えるためである。一方、インフレはすごいことになる。米国債の発行が増えて、金利上昇して、FRBは利上げを複数回も行うことになる。
しかし、2017年後半からは法人税減税、インフラ投資が出てきて、景気は大きく持ち直してくる。
しかし、減税で税収が減り軍備拡張とインフラ投資で支出が増え、2018年後半からはスダグフレーションになる可能性もある。
米国が世界覇権を持っていれば、中国の人民元を上げて、ドル通貨の価値を下げて、輸出が回復されて経済は回復するが、中国は米国の第2プラザ合意を拒否するはず。中国が米国に代わって世界覇権を取る芽が出ているので、中国は米国の言うことを聞かない。
このため、米国は中国との対決になる。このため、中国の矛先を中東に向けるべく、米国は暗躍することになる。
そうしないと、米国はダメになる。米国としても中東戦争が必要になる。中国の軍備を分散させるためにである。 MAG2NEWSより
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