数少ない空軍戦闘機の女性操縦士で、美しい外見から「金のクジャク」ともてはやされていた余旭大尉(30)も11月12日、訓練中に事故で死亡し、同氏が操縦していた戦闘機「殲-10(J-10)」も墜落した。墜落現場を撮影した動画がネットに流れており、映像には、地上に激突した際にできた窪地に、大破した同機の様子が映っている。
米国中国語メディア「多維新聞」(11月22日付)によると、今年1~11月まで中国の陸・海・空三軍では、戦闘機「J-10A」「殲-11B(J-11B)」「殲-15(J-15)」など約10機の軍用機が墜落し、7人のパイロットが事故死した。
これまでの墜落原因を分析すると、飛行機製造会社の成都飛機工業公司(以下、成飛)が製造するJ-10A/S戦闘機にはエンジンの欠陥がよく見られるが、瀋飛が製造する「J-11B」や「J-15」などの戦闘機には、飛行制御システムの故障が事故の主因とされている。
一方で、中国インターネット交流サイト(SNS)上では11月17日に、「成飛の年老いたエンジニア」と署名した評論記事が多くの注目を集めた。記事では、瀋飛が製造した戦闘機が頻繁に墜落する主因は、同社管理層幹部が親会社上層部との人脈を利用して、(出世や昇進をめぐる)政治闘争や政敵を虐げることに力を集中し、航空機の開発研究や技術向上に力を入れていないことにあると批判した。
記事では、瀋飛が成立された当初、ソ連からの技術援助を受け、ソ連の戦闘機を基に、「殲-7(J-7)」「殲8-(J-8)」を製造してきた。ソ連が崩壊後、中国当局はロシアから戦闘機を輸入して、模造を続けてきたが、技術革新や開発研究は全く行われていないという。
その一方で、「瀋飛内部の政治闘争を嫌った技術員らが、そのあとに成立された成飛に流れた」「その技術員らは、(1970年代)米中関係が改善された際、米国式企業管理・業務手順やコンピューター上のCAD設計技術などを習得した」「その後、パキスタンとの提携で多目的戦闘機『FC-1』の開発に成功した」とした。
同記事によると、パキスタンは資金の面でも約3億ドルを成飛に援助した。また同国は成飛に対して開発用に第4世代ジェット戦闘機「F-16」を1基提供したという。ある程度の技術力を向上させた成飛はその後、「J-10」の開発に成功し、量産を始めた。
また、現在成飛が試行中のステルス戦闘機「殲-20(J-20)」について、同記事では、瀋飛と成飛の親会社で超大型国営企業の中国航空工業集団公司は、成飛の「J-20」の独占開発や製造に不満を抱き、「J-20」機体の前半部分の開発研究を成飛に、後半部分を瀋飛に分配した。「このため、J-20機体後半部分のステルス性能が低い」「現在指摘されている「J-20」の問題点は機体後半部分に集中する」と強調した。 大紀元日本より
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