2017年12月25日月曜日

北朝鮮の違法操業に先手 大和堆に海保巡視船を前倒し投入へ

日本の排他的経済水域(EEZ)にある日本海の好漁場「大和堆(やまとたい)」周辺での北朝鮮漁船による違法操業問題で、政府が平成30年のスルメイカ漁期、取り締まりに当たる海上保安庁の巡視船を今期より前倒しして投入する方針を固めたことが24日、分かった。日本漁船は今年、北朝鮮船に操業を妨害されるなどして現場海域を離脱。日本漁船の安全操業を確保するため、予防的措置として先手を打つ構えだ。
 
漁業関係者らによると、北朝鮮船は大和堆で数年前から目撃され、28年秋には多数の船を確認。全国いか釣り漁業協会の要請を受け、政府は今年、海保の派遣を初めて決定した。

ただ、海保が現場海域に到着した7月上旬の時点で、既に多数の北朝鮮船が違法操業。対応していた水産庁の手が回っていないのが実情だった。

日本漁船は6月上旬に大和堆付近に出漁したが、海保の到着前に北方に移動。北朝鮮の木造船が流した網をプロペラに巻き込めば航行不能になる恐れがあったためだ。日本漁船の集魚灯に集まるイカを横取りされる妨害にも遭った。

漁場を追われた日本漁船は今年、大和堆周辺でほとんど操業せず、北海道沖で漁を継続。イカの南下に合わせ、11月に大和堆に向かった際も北朝鮮船がいたため、再び北方に戻ったという経緯もある。

海保は7月に延べ724隻に退去警告し、EEZ外に排除。北朝鮮船がいなくなった12月中旬までの延べ1923隻の約4割に相当する。政府は結果的に後手に回った今期の実態を踏まえ、早期の対応が必要と判断したもようだ。

各地の漁業団体は今年、国に安全確保を求め、海保も対策の徹底を確認。関係者によると、北朝鮮船は今期、EEZ外に退去後も境界付近にとどまり、侵入を繰り返した。海保は来期、日本漁船への北朝鮮船の接近を防ぐ態勢を取るという。

海保関係者は「日本漁船と北朝鮮船の位置を確認して、巡視船を慎重に操船する必要がある。排除するよりも困難な任務になる」との見方を示した。産経ニュースより

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