「反中国」を鮮明にするベトナムへの投資が多いのは、韓国、ついで日本である。
昨日の敵は、今日の友。米国とベトナムの関係も劇的に改善された。ドナルド・トランプ米大統領は11月10日、ベトナム中部の都市、ダナンを、翌日には首都ハノイを訪問した。
中国がかすめ取った南シナ海・パラセル諸島(中国名・西砂諸島)は、ベトナムの領海にある。中国の軍事力を恐れないベトナムだが、自国の旧式兵器を嘆いている。
ダナンは100万都市であり、古都フエとは4時間のドライブで結ばれる。途中の山脈をくぐる長いトンネルは日本の無償援助で造られ、出入り口には日本国旗が大きく刻印されている。
劇的なのは、米国との関係である。
あれほど過酷な戦争をやった相手なのに、ベトナム国民の過半数は「トランプ大統領が好き」と答える。驚くほかないが、それが歳月の流れ、新世代の誕生ということであろうか。
そのうえ、街角では若者が時折、「中国は法律に従え」「中国は侵略者」というプラカードを掲げて抗議行動を行う。当局はそのたびに活動家を拘束した。
前出のダナンで11月、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会談が開かれた。日本から安倍晋三首相、米国からトランプ氏、ロシアからプーチン大統領、中国から習近平国家主席もやってきた。
ベトナムががっかりしたのは、トランプ氏がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を脱退すると決めたことだった。
トランプ氏はダナンで講演した。「いかなる国も自国が大事であり、われわれのスタンスは『アメリカ・ファースト』である」と、挑発的な発言でTPPに真っ向から対決姿勢を示した。
米国は、このベトナムを「反中国」の梃子(てこ)に活用しようとしている。
他方、フィリピンは冷戦終結後、クラーク空軍基地とスービック海軍基地を閉鎖し、長らく米軍のプレゼンスがなかった。
スカボロー礁(同・黄岩島)を中国に盗まれ、オランダ・ハーグの仲裁裁判所に訴えて勝訴した。だが、「あれは紙くず」という中国を前になすすべもなく、「漁業の安全操業」を取引材料として中国の進出に抗議せず、かわりに経済援助を獲得した。
豪腕・ドゥテルテ大統領は対米戦略を後退させ、中国に近付いたのだ。
こうして世界を俯瞰(ふかん)してみると、「世界の警察官」を降りると宣言した米国に、アジア諸国は「過度の期待は禁物」とばかりの姿勢だ。中国のやりたい放題に沈黙しつつ、軍事大国・中国との共存を模索する道を模索している。
となると、日米は中国に対抗して各国の信頼を回復できるだろうか。夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年12月25日月曜日
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