2017年12月24日日曜日

金氏、「大規模作戦」と挑発示唆 安保理決議に対抗

北朝鮮外務省は24日、報道官声明を発表し、国連安全保障理事会が22日午後(日本時間23日未明)に採択した北朝鮮への追加制裁決議について「朝鮮半島や地域の平和と安定を破壊する戦争行為とみなし、全面的に排撃する」と非難した。朝鮮中央通信が伝えた。金正恩(キム・ジョンウン)委員長が朝鮮労働党の末端組織の会合で、追加挑発を示唆する発言をしたことも判明。追加制裁への反発を強めている。
北朝鮮が国連安保理の新たな制裁決議に反応を示したのは初めて(23日、金正恩委員長)=ロイター
北朝鮮が国連安保理の新たな制裁決議に反応を示したのは初めて(23日、金正恩委員長)=ロイター
 
声明は「米国と追従勢力は、米本土に脅威を与えることができる我が国の実力を忘れてはならない」と警告。「我々が苦心して完成させた核兵器を放棄するという妄想から1日も早く目覚めるべきだ」とけん制した。

「米国の核の脅威を根本的に終わらせるための自衛的核抑止力をさらに固めていく」とし、核戦力を強化する方針を改めて表明した。北朝鮮が新たな制裁決議に反応したのは初めて。

一方、朝鮮中央通信によると、正恩氏は23日、党末端組織幹部の会合で演説し「社会主義強国建設のため、大胆で大規模な作戦をさらに果敢に展開する」と言明した。作戦の詳細は明かされていないが、弾道ミサイルの発射などを示唆した可能性がある。

また、正恩氏は「米国と敵対勢力は、我が国に対する侵略策動と制裁策動を強化しながら、我が国に不健全な思想毒素を流している」と国連などの制裁について言及。その上で「敵対勢力の挑戦を粉砕し、(末端組織の)党細胞を強化すべきだ」と党内を引き締めて対抗する考えを示した。

朝鮮人民軍を巡っては、兵士が韓国に亡命する事例が2カ月連続で発生。正恩氏の演説からは、前線の士気と規律の緩みを懸念する様子もうかがえる。北朝鮮の兵士は、大型拡声器を使った韓国軍の北朝鮮向け宣伝放送を聞いて亡命を決意したとの見方がある。
日経新聞より

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