2017年12月27日水曜日

慰安婦合意は2年で「Uターン」か、合意を維持すれば国内で反発

旧日本軍慰安婦問題をめぐる韓日合意に関する韓国政府のタスクフォース(TF)の検証結果発表をあす(27日)に控え、合意に「問題があった」との結論が発表される可能性が高まり、その波紋が注目されている。

韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官は26日の記者懇談会で、慰安婦TFが「合意に至るまで被害者との意思疎通が非常に不十分だった」という結論を出したことに言及した。

康長官はまた「国民の70%が受け入れられない合意、被害者と支援団体が満足できない合意を、政府がどのように扱っていくのかについて、あらゆる選択肢を念頭に置いて(被害者側と)意思疎通を図っていきたい」とした上で、被害者と支援団体の思いを十分にくんで取り組んでいくことを強調した。

康長官のこの日の発言から、27日にTFがどのような結果を発表するのかある程度予想ができる。

結果発表では、韓日政府が慰安婦問題に関する「局長級協議」を2年間で10回以上も実施しながら議論が平行線をたどり、担当局長も年越しを予想していた状況で、突如合意に至った背景や、「不可逆的」という表現と少女像移転問題が共同発表文に盛り込まれた背景などに関する説明があるとみられる。

これらの部分については、合意直後から合意破棄を主張していた人々が問題提起していた。政権レベルでの合意にすぎず、被害者の意見が反映されていないため、合意は認められないというのが反対派の立場だった。

慰安婦TFが7月に発足して以降、日本政府が最も神経をとがらせてきたのもこの部分だ。韓国政府は、慰安婦TFの結果そのものが政府の政策になることはないとの立場を表明しているが、今後韓国国内で合意に対する世論の批判が変わらない場合、韓国政府が方針を転換する可能性も否定できないからだ。

日本の菅義偉官房長官は26日、TFの結果が発表されていないにもかかわらず、慰安婦合意に関連して「国際社会の前での約束だ。着実に実行に移すことが重要だ」と重ねて懸念を表明した。

韓国政府もこのような日本側の立場を念頭に置いているようだ。康長官はこの日の懇談会で「TFの結果報告書には政府に対する政策的建議は盛り込まれておらず、政府の方向はTFの結果だけでは成り立たない」と明言した。仮に「合意破棄」という世論が高まった場合でも、日本側から「合意を一方的に破棄した」と逆襲される可能性を考慮し、慎重な立場を取る方針をにじませたものとみられる。

韓国政府は今回のTF結果報告書を基に、慰安婦被害者と支援団体、外交関係者などの意見を取りまとめる予定だが、早期に結論を出す可能性は高くないとの見方もある。

合意を維持する場合、韓国国内での反発が予想される一方、合意を破棄すれば外交面での波紋は避けられないからだ。また、来年2月の平昌冬季五輪、韓中日3か国首脳会談など、首脳クラスの外交イベントについて話し合いが必要な状況で結論を焦れば、得るものより失うものの方が多いと考えられるからだ。

また、早急に結論を出すよりも、合意そのものに対する評価以外の部分で戦略的曖昧さを維持することで、対日交渉において優位に立てるとの見方もある。朝鮮日報より

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