米通商代表部(USTR)は1日、トランプ政権の通商政策報告書を議会に提出した。世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きが不利益になる場合は「従うことはない」と表明。国際協議よりも国内法を優先すると強調した。各国には一段の市場開放を求め、制裁措置の発動につながる「通商法301条」の適用も検討する。新方針は「米国第一主義」が極めて鮮明で、世界的な貿易摩擦を呼ぶ可能性がある。
議会に提出したのは「大統領の2017年通商政策」と題した報告書だ。トランプ政権の貿易政策の基本方針で、優先事項として(1)通商政策で米国の国家主権を守る(2)米国の通商法を厳密に執行する(3)他国の市場開放に向けあらゆる手段を用いる(4)主要国とは新たな貿易協定に乗り出すを挙げた。
新政策方針では、WTOの紛争解決手続きに「そのまま従うことはない」と明記し、国内法を優先するとした。トランプ氏は選挙戦中に「メキシコには35%、中国には45%の関税を課す」などと主張したが、いずれもWTOルール違反を指摘されていた。米国の国内法では、大統領の権限で関税を引き上げたり、輸入制限に踏み切ったりすることができる。
WTOの手続きでは、勝訴した国が相手国に報復関税などを課すことができるものの、米国が敗訴しても「国内法や商慣習を自動的に変えることにはならない」と主張した。世界の貿易秩序を保つ国際手続きを軽視するもので、相手国と制裁の応酬を招く懸念がある。
貿易相手国の高関税や輸出補助金によって「米国製品の競争力は失われた」とも指摘した。WTOルールに基づいた従来の反ダンピング(不当廉売)関税などでは効果が薄いとして、国内法で貿易相手国に制裁関税などを可能にする「通商法301条」の適用が適切だと強調した。
環太平洋経済連携協定(TPP)離脱後の貿易協定は「2国間協議に移行する」と改めて強調した。日本を名指しするのは避けたものの、トランプ政権は貿易赤字の大きい対日協議に強い意欲をみせている。 日経新聞より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年3月2日木曜日
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