2017年3月28日火曜日

サウジ国王が韓国をスルー!オイルマネーを取り逃す無念さに国民不満が続々

来日もしたサウジアラビアのサルマン国王がアジア重視の姿勢を鮮明にするなか、国王の訪問がなく「素通り」された韓国が喪失感にさいなまれている。大統領弾劾で混乱している韓国は、当初から国王のアジア諸国歴訪に含まれていない。それでも実際に目の前をスルーされると、「アジアの経済大国」としての自尊心が傷付けられるようだ。地位低下を憂う韓国だが、同時にサウジの「脱石油」改革に絡んだ支援ビジネスに乗り遅れる痛手の方が大きい。
 
王族や関係閣僚ら1000人を超える代表団の豪華さが話題になったサウジアラビアのサルマン国王の来日。4日間の日本滞在を終えて15日に離日し国王が次に向かったのは中国だった。日本に来る前の訪問先は小国ブルネイで、韓国は全く相手にされていない。

サウジは世界最大の原油輸出国。近年は原油価格の低迷で財政難に苦しんでおり、産業振興に活路を求め石油依存経済からの転換を目指している。原油収入だけに頼らない国づくりは、国王の息子であるムハンマド副皇太子が主導する。

サルマン国王は、日本とは高い技術力を持つ日本企業のサウジ進出を促す経済特区創設を柱とする「日・サウジ・ビジョン2030」で合意。中国では、北京で習近平・国家主席と会談し、インフラ整備など経済分野で総額650億ドル(約7兆4000億円)の協力を進めることで合意した。内容は明らかになっていないが、中国で生産過剰が深刻となっている鉄鋼やセメントを使い、サウジがかかわる港湾や空港を整備することを想定しているとみられる。

日中両国がサウジとの関係を原油調達から「戦略的パートナー」へとステップアップさせるのに、韓国は羨望(せんぼう)のまなざしを向けずにいられなかった。サウジは国民の約半数が25歳未満で、成長市場としての魅力も大きい。さらにサウジを後押しすることで、中東市場開拓にもつながる。

サウジ国王の日本訪問は46年ぶりで、中国が11年ぶり。この様子を伝えた韓国紙、朝鮮日報(日本語電子版)は、国王が韓国を重要な国だと思っていないからではなく、韓国が大統領弾劾という事態に陥り国王を迎えられる状況にないだけで、無念さを抑えきれないと報じた。

崔圭夏(チェ・ギョハ)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)の大統領4人が過去にサウジを訪れたが、韓国にサウジ国王が来たことはない。

同紙によると、サルマン国王は今回ぜひ韓国を訪問したいと考えていたという。国王は兄たちより立場が弱く王位承継のない「株価の低い皇太子」だった1999年に訪韓しているが、「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれた経済成長を経て大きく発展した韓国に感銘を受け、国王になったら再び訪れたいと話していたそうだ。

韓国大手紙の中央日報(同)も、サウジのアジア重視政策に韓国だけが外れていると問題視する。世界最大の石油会社、サウジ国営サウジアラムコの東京証券取引所への上場誘致に向けた協議を進めることでサウジと日本が一致したことについては、安倍晋三首相の外交の力だと評価した。

韓国は世界で4番目のサウジ石油輸入国だ。両国は2015年、中小型原子炉事業など一部で協力はあったが、他の産業分野では目立った追加の交流や協力はない。親交のあったサルマン国王を招くことができなかった韓国の失態は、今後、王政国家の序列などを正確に把握することを難しくするかもしれない。誰が権力の中枢に近いかを知るための「アラビア半島の金脈」地図を見失ったようなものだ。

あまりのふがいのなさに韓国国民もだまってはいられない。「サウジは韓国と一緒に組んだ方が絶対良いのに!」「韓国の外交部は一体何をしているのか」「朴槿恵のせいでとんでもない損失じゃないか」「一刻も早く安定したリーダーを誕生させなければならない。二度とこんなことが起きてはならない」などと、インターネット上で相次いで不満の声をぶちまける。

一方、韓国紙、東亜日報(同)はサウジ国王の来日同時期に韓国建設会社の現代エンジニアリングがイラン国営製油会社の系列会社などから3兆8000億円ウォン(3800億円)規模の超大型石油化学プラント建設工事を受注したことを伝えた。昨年末からイランで韓国企業の工事受注が相次ぎ、欧米などの経済制裁が解除されたイランからの受注朗報は今後も続くとしている。

韓国がすり寄っているようにも見えるイランは、サウジが16年に国交を断絶した相手だ。イランに接近したオバマ前米政権とサウジの間では、伝統的に親密だった関係がぎくしゃくした。この局面で韓国のイラン急接近は、サウジがますます韓国を遠ざける理由の一つになる可能性もある。

国際通貨基金(IMF)は、韓国の今年の経済成長率予想値を従来の3.0%から2.6%に引き下げた。来年の成長率予想値も従来より0.3ポイント低い2.8%に下方修正した。リーダーシップ不在による内需不振が主因だ。こうした中、サウジ国王初訪韓という千載一遇の機会を取りのがした韓国。中東で存在感を発揮できずオイルマネー争奪戦に後れを取れば、経済の減速に拍車を掛けることになる。 産経ニュースより

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