2017年3月30日木曜日

英、EU離脱を正式通告

英首相は、欧州連合(EU)に対して正式に離脱を通告、将来的な英・欧州連合(EU)関係での合意に向けた原則2年の離脱交渉が開始されます。国内ではEU残留を望む北部スコットランドが英国からの独立に向けた動きを加速。最大野党・労働党は交渉での確実な成果を求めるなど、メイ氏の課題は山積みです。

EU側は近く、離脱交渉での指針草案をまとめ4月末の首脳会談で具体的する予定。交渉は経済、貿易関係や安全保障、移民制度、国境管理のあり方など多岐にわたる問題で合意を目指します。

英側は移民制限などを優先しながら、EUとの新たな自由貿易協定(FTA)を交渉したい意向。一方、EU側は、欧州各国で反EU政党が支持を伸ばす中、離脱の連鎖を阻止するため、厳しい態度で交渉に臨み、英国がEU離脱の国民投票の前に確約した拠出金7兆2000億円の支払いを求める構えです。

英国内の結束維持も大きな課題です。スコットランド自治政府議会は28日、スタージョン自治政府首相に対し、英政府との交渉権限を与える動議を賛成多数で採択。スタージョン氏は2019年春までの英国からの独立を問う住民投票実施を目指します。ただ、メイ氏は独立が英国結束を緩め、弱体化させるとして実施に反対しています。

昨年6月の英国民投票では、スコットランド住民の約62%がEU残留を支持。スタージョン氏はその後、スコットランド単独でEU残留やEU単一市場への参加を模索しましたが、メイ氏は単一市場を含めた全面的なEU離脱を決定。スコットランド住民の間で、英政府への不満と独立機運が高まりました。また、国民投票で同じEU残留が多数だった北アイルランドでも政情が不安定化しています。

一方、労働党は27日、離脱交渉に向けた6項目の要求を発表し、労働者保護やEUとの協力関係に加え、単一市場への参加と全く同じ利益を維持するよう要求。こうした合意がない中でEU離脱は考え得る最悪の結果だとくぎをさしました。

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