ドナルド・トランプ米大統領は1月26日午後(現地時間)、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)年次総会で演説、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の復帰検討を表明した。
この衝撃的なニュースは全世界を駆けめぐり、トランプ氏の「変心」の理由を探るべく、各国の通商政策責任者は情報収集を余儀なくされた。
27日付各紙報道でも分かるように、「トランプ強硬派影潜め-失脚続々 国際派に存在感」(産経新聞)、「変心か乱心か-産業界から見直し圧力」(日経新聞)、「『TPP復帰』見えぬ真意-進まぬ通商政策に焦りか」(読売新聞)など、トランプ大統領の真意が測りかねるという点で一致した。
ただ、読売新聞は翌日の紙面で「バノン氏退場転機か-トランプ氏『現実路線』も考慮」と題し、「米国第一路線を主張してきたスティーブン・バノン元首席戦略官がホワイトハウスから去ったことが大きい」と指摘した。
筆者は、その後のマスコミ報道をチェックしてみたが、納得できるものはなかった。
ところが、産経新聞(1月30日付朝刊)に掲載された古森義久ワシントン駐在客員特派員の記事「トランプ氏 TPP政策逆転のワケ」で得心がいった。
《この疑問への現時点での最有力な答えはトランプ政権の国際通商・財務担当のデービッド・マルパス次官がトランプ演説直後に述べた説明である》とした上で、中国ファクターについて言及。同氏は次のように続ける。《本来、対中抑止の意図があるTPPを利用することが賢明だという判断が大きくなってきた、ということだろう》
要は、トランプ氏がTPPの効用を再認識したということだ。
そして、同大統領の「変心」に大きな役割を果たしたのがマルパス氏ということになる。
レーガン政権の財務次官補代理、ブッシュ(父)政権の国務次官補代理を歴任後、ウォール街のエコノミストを経て、16年の大統領選時にトランプ陣営に参加、現在に至る。
まさに「国際派」なのだ。このマルパス氏以外でトランプ氏に助言したのが、国家経済会議(NEC)委員長のゲーリー・コーン氏である。
米中貿易不均衡問題で対中強硬路線を採るホワイトハウス内のウォール街出身の現実路線者だ。役者がそろったのである。
だが、トランプ氏は一般教書演説でTPPに言及しなかった。ぜひとも所管する外務省経済局と経済産業省通商政策局の最新分析を聞いてみたい。(ジャーナリスト・歳川隆雄)夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年2月6日火曜日
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