2018年2月6日火曜日

現実化する米国の対北朝鮮軍事オプション

米国のトランプ大統領就任以降初めての年頭教書が最近、発表された。暴言波紋を起こした過去のトランプ氏らしくなかった今回の演説は「安全で強くて誇らしい米国建設」に向けた超党派的協力を促すメッセージを非常に真剣に伝えた。政策的な方向性を大きく5つの分野に分けて伝えた。

1兆5000億ドル(約163兆4326億円)のインフラ建設、減税と雇用、移民改革、相互互恵的貿易政策、米国安保に向けた強力な軍事力確保だ。米CNNの世論調査で回答者70%が今回の年頭教書を肯定的に評価した。ウォール・ストリート・ジャーナルはこの日一日だけは大統領らしく行動したと好評した。

韓国にとっては何より注目されるのは対北朝鮮政策の方向性だった。非常に自制して丁寧な口調で伝えられた演説だったが、内容は北朝鮮政権を「道徳的に堕落」(depraved character)したとした。北朝鮮に強制抑留されて亡くなった米国人のオットー・ワームビア氏と脱北者チ・ソンホ氏の事例を言及した。北朝鮮が開発する長距離核・ミサイルの米国本土の脅威を強調した。過去政権の政策を繰り返さないという意志も見せ、北朝鮮に対する政策で最大限の圧力(maximum pressure)を強調した。一見すれば変わったことはないように見える。

しかし、ほぼ同時期に聞こえてきた駐韓米国大使に指名されたビクター・チャ氏の落馬は北朝鮮に対する政策にあってトランプ政府の強硬な気流を暗示した。彼はトランプ政府の北朝鮮に対する軍事措置が韓国で取る危険性を警告し、このような政策的見解の違いは結局、大使任命を撤回するよう未曽有の事態につながった。いつからかトランプ政府内部で北朝鮮に対する軍事措置はすでに政策の一部を占めた。ハーバート・マクマスター国家安保補佐官は軍事的行動を深刻に考慮し始め、昨年トランプ氏の北朝鮮に対する政策に比べてますます強硬に進化している。現在、米国は北朝鮮の長距離核・ミサイルに対して大きく懸念している。


米中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ局長が北朝鮮の核ミサイル開発があまり残っていないと言及するにつれ、北朝鮮の長距離ミサイル開発はすでに米国のレッドライン(red line)になった。米国の懸念は2つだ。北朝鮮の核・ミサイルが米国本土に脅威になるという懸念が一つ目だ。これによる同盟国の安保不安感が米国の拡張抑止力に対する信頼を落とし、強固な同盟体制を弱化させるかとの懸念が2つ目だ。1960年シャルル・ド・ゴール仏大統領の言及(「米国がソ連の核・ミサイルからパリを守るためにニューヨークを犠牲にすることができるだろうか」)のように北朝鮮の長距離核・ミサイル開発の完成により同盟国の懸念が現実化する状況を懸念しているわけだ。

昨年初め、トランプ政府の北朝鮮に対する政策は制裁に基づいた外交的解決法中心だった。すなわち、最大限の圧力と介入(maximum pressure and engagement)だった。しかし、いつの間にか「介入」という言葉は聞こえない。介入は北朝鮮に対する政策の手段でない目的になり、圧力の手段は軍事的オプションまで発展している。最近、米国で発刊された国家安保戦略書(National Security Strategy)と国防戦略書(National Defense Strategy)、そして核態勢検討報告書(Nuclear Posture Review)は北朝鮮を主な安保脅威として想定している。

現在、米国の北朝鮮に対する軍事オプションは次第に実質的手段になっている。いわゆる「鼻血戦略(bloody nose)」という制限的先制打撃を通じて北朝鮮の長距離核ミサイル開発を阻止するということだ。同時に強力な戦略資産を動員して北朝鮮の軍事的報復まで抑止するという方針だ。核態勢検討報告書は冷戦以降、縮小した戦術核兵器を強化して柔軟対応(flexible response)戦略を復活すると明らかにする。すなわち、低強度(low yield)核戦力を強化して現代化し、戦略核兵器で対応できない北朝鮮の局地挑発などの場合に実質的に対応するという意志を見せている。

これから韓国政府は多様なシナリオに備えなければならない。先に、平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)の前に米朝対話の機会を作るための力を注ぐ必要がある。米朝間大きな立場の違いを調整できる案を検討する必要がある。これを通じてかろうじて捉えた南北対話がモメンタムを失わないようにする一方、米朝対話が失敗する場合にも備える姿勢が求められる。また、五輪以降韓米合同演習が再開される場合、南北対話のモメンタムを生かす案を考える必要がある。最後に、今後米国の北朝鮮に対する強硬策とこれに対する北朝鮮の挑発の可能性の中で韓半島(朝鮮半島)の緊張局面を安定的に管理できる外交力を講じなければならないだろう。 中央日報より
       

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