2018年2月26日月曜日

大型漁船に病む海…中国の操業時間、世界の3分の1占める

中国政府は数年にわたり自国漁民の乱獲により各国政府と環境団体からの非難を浴びている。それでも中国農業省は2016年に200万トンだった遠洋船団の年間漁獲量を2020年に230万トンに引き上げることを目標にしている。海洋保護団体であるオセアナ、非営利衛星情報分析団体のスカイトゥルース、グーグルは2016年から人工衛星を動員して世界の海を航行する漁船3万5000隻を追跡する「グローバル漁業監視プロジェクト」を行っている。

人工衛星と船舶情報を利用して乱獲を日常的に行う大型漁船を追跡するという意図だ。米国地理学会もこれと似た「きれいな海プロジェクト」に入った。

米国UCサンタバーバラの研究陣はこれらの団体と2012~2016年に漁船7万隻を追跡し世界の海の半分以上がすでに商業目的の船団に占有されたと国際学術誌サイエンスに公開した。韓国は中国、日本、台湾、スペインとともに公海で過度な商業操業を主導する上位5カ国と指摘された。今回の研究は世界の商業漁船の活動を追跡した研究の中で最も規模が大きい。

◇7万隻の船舶追跡

研究陣は世界的に広がる漁業活動現況を確認するため2012年から2016年まで実際に遠洋漁業などに参加した長さ24メートル以上の約7万隻を追跡調査した。世界農業機関によると世界の漁船は290万隻で、このうち船体の長さが24メートル以上の漁船6万4000隻が商業漁業を主導していると推定される。研究陣は漁船の操業活動情報を知るために船舶に搭載された自動位置識別装置(AIS)情報と人工衛星を活用した。国際海事機関は300トンを超える船舶に対しAISの設置を義務づけ、数秒おきに位置と速度、方向を信号で知らせるようにさせている。この信号には船舶の大きさとエンジン性能のほか、いつどこでどのような種類の漁業をしたのか識別する情報が含まれている。

研究陣の分析結果によると、商業的な操業が行われた海域は世界の海の55%に達することが明らかになった。世界の農業面積の4倍に達するほど広範囲だ。2016年にこれらの漁船7万隻が操業した時間は3700万時間に達する。漁船が操業のために移動した距離は地球と月を600往復できる4億6000万キロメートルに達した。

最も活発な操業が行われたホットスポットは南米と西アフリカ海域をはじめ、北東大西洋と北西太平洋、地中海に集中した。韓半島(朝鮮半島)、西海(ソヘ、黄海)と接する中国東海岸はすでに飽和状態だ。1平方キロメートル当たり年間操業時間が216時間に迫る海域がほとんどだ。1平方キロメートル当たり操業時間が長いほど特定海域に多くの漁船が集まっているという話だ。マグロやサメなどを手当たり次第に釣るはえ縄漁業は世界の海の45%で行われる最も普遍化した方式と確認された。

◇自然条件より政策に影響

中国は今回の追跡調査でも最も攻撃的な操業を行う国と確認された。2016年の中国遠洋漁船の年間総操業時間は230万時間で世界の操業時間の3分の1に迫った。中国とともに台湾、日本、韓国、スペインの遠洋船団も公海上で攻撃的操業を行っていると調査された。これら5カ国の操業時間は公海上で行われる全操業の85%を占めるほど割合が大きい。

商業的な操業は時と場所を選ばなかった。夏と冬の区別なく異常気候であるエルニーニョが発生し魚が生息地を離れた後も操業していた。むしろ政策が変わる時にさらに影響を受けた。中国は乱獲が続き批判を受けると産卵期の操業を禁止し船団規模を減らした。世界的に船舶燃料価格が上がった時も操業活動がしばらく停滞していたことがわかった。今回の研究を主導したグローバル漁業監視のデビッド・クルーズ研究員は、「漁業活動が自然的な条件より文化と政策的な要因に影響を受けたという点は人間の意志によりいくらでも漁業方式を改善できることを意味する」と話した。

今回の研究はどの海域でどのような方式で水資源を保護すべきかを明確に示したという点でも意味がある。南太平洋一帯の一部の島国は排他的経済水域内での商業的操業を禁止した結果AIS信号はほとんど検出されなかった。中央日報より

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