最近、北朝鮮が対話攻勢に出ているのは、やはり経済制裁が効いてきたせいもあるのだろうか。
近年、北朝鮮の人々にとってなくてはならない存在となっているのが、市場だ。食べ物や日用品を買うにとどまらず、最新の流行やリアルな海外情勢の話までが飛び交う、トレンドの最先端を行く空間なのだ。その市場に異変が生じていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。
貧困層に打撃
咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、市場では物価が高騰し、店頭から商品が姿を消しつつある。
「市場では生活必需品の売り買いはほとんど行われなくなり、食料品はあるものの、種類は減っている。それすらも中国が門戸を開かない限り、いつまで持ちこたえられるかわからない。」
両江道(リャンガンド)の情報筋も、最近の市場の状況を次のように説明した。
「今まで『苦難の行軍』など、幾度となく苦境を乗り越えてきたが、ここまで市場に閑古鳥が鳴く状況は初めてだ」
「苦難の行軍」とは、数十万人単位の餓死者を出した1990年代の大飢饉のことだ。
こうした状況の背景にはもちろん、国際社会の経済封鎖の影響がある。だが、それだけではない。卸売業を営む「トンジュ」(金主)と呼ばれる新興富裕層は、値上がりを見込んで売り惜しみし、商品を少ししか卸さないのだ。
朝鮮半島では昔から、冬の終わりから初夏にかけて、昨年秋に収穫した穀物が底をつき、食糧不足に陥る。これを「春窮」と言うが、トンジュにとっては貯蔵しておいた穀物を高く売るチャンスというわけだ。経済制裁によるモノ不足が、そこに拍車をかけているのである。
北朝鮮当局は、トンジュを締め上げて穀物を放出させることもできるだろう。しかし、そもそも北朝鮮で手広く商売をする人物が、権力者とズブズブの関係にあるのは基本中の基本だ。当局はむしろ、トンジュの庇護に回っているのである。
北朝鮮の食糧事情はかつてに比べ、大きく改善した。しかし、同時になし崩し的な資本主義化が進行したことで、貧富の格差が拡大。いくら働いても、市場で食べ物を買うことのできない層が出現しているのである。
一方、北朝鮮の人々にとって貴重なタンパク源の一つとなってきた人造肉(ソイミート)の原料である大豆粕の輸入が、今年になってから止まってしまっている。中国の情報筋によれば、中国当局が北朝鮮への輸出を止めた可能性もあるが、大豆粕すら輸入できないほど北朝鮮の外貨事情が逼迫しているのではないかと情報筋は見ている。
RFAの情報筋が伝えてきた不況は北部国境地帯のもので、全国的に広がっているか定かでない。
例えば、平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK情報筋は、平壌近郊の平城(ピョンソン)では「電力事情が改善して、トロリーバスが概ねまともに運行されるようになった」と伝えている。全国有数の卸売市場がある平城から不況の話が伝わっていないということは、少なくとも平壌においては、経済制裁の影響が深刻になっていない可能性もある。infoseek newsより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年2月27日火曜日
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