画像は「Daily Mail」より引用
■迎撃不可能の「超音速ミサイル」
英紙「Daily Mail」(5月31日付)によると、ロシアが開発に成功した超音速対艦ミサイル「Zircon(ジルコン、露ツィルコン)」の最大の特徴は、音速の5~6倍という巡航ミサイルとしては驚異的な速度にあるという。
これは時速約6100km~7400kmに相当し、あらゆる巡航ミサイル迎撃システムで、撃墜不可能な速さとのことだ。それに加え、航空母艦を一撃で破壊できるほどの威力を持ち合わせているというから恐ろしい。
この驚異的な速度は、圧縮した空気を燃料と混ぜあわせることで爆発的な推進力を得る「スクラムジェットエンジン」を搭載することで可能になったとのことだが、これほどの速度を実現できたのは現時点でロシアだけだという。
画像は「Daily Mail」より引用
さらに、ロシア人軍事アナリスト、ウラジミール・トゥチコフ氏は、「向こう20年はZirconを超える速度の巡航ミサイルは開発できないだろう」とも語っている。「Zircon」が実戦配備されるのは、2018年~2020年頃、ロシア重原子力ミサイル巡洋艦「ピョートル・ヴェリーキイ」に実装される予定だという。
■日本にも脅威、航空母艦全滅の恐れ
画像は「Daily Mail」より引用
「Daily Mail」は、米国への脅威を強調しているが、隣国ロシアの軍事事情は我が国にとっても他人事ではない。それというのも、既存の巡航ミサイル迎撃システム、あるいは対空誘導弾が撃墜できる飛翔体の速度は、およそ時速3700km程度といわれており、「Zircon」の速度に遠く及ばないからだ。つまり、米海軍が62億ドルもの巨額をかけ製造した航空母艦「HMS Queen Elizabeth」や「HMS Prince of Wales」、その他所有する19の母艦に加え、自衛隊が保有する全ての航空母艦も「Zircon」の前では無力と化す。実戦配備されれば、全ての航空母艦は、「Zircon」の射程距離800km圏内に侵入不可能になってしまうのだ。
だが最悪の事態は、ロシアが保有する原子力潜水艦に「Zircon」が搭載されたときだろう。いつどこに出現するか分からない潜水艦から、低空飛行のためレーダーに検知されにくい巡航ミサイルが発射されてしまうと、迎撃が難しいと言われている。それが超音速の「Zircon」となれば、もはや打つ手はないだろう。さらに、核弾頭の搭載も可能というから、背筋が凍る話だ。
画像は「Sputnik」より引用
ロシア、北朝鮮、中国などが引き金を引いたとき、日本が西側諸国の最終防衛ラインとして、矢面に立たされるのは想像に難くない。旧共産圏が再び力をつけるなか、我が国の身の振り方も、今一度考え直す必要があるかもしれない。 トカナより
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