2017年6月25日日曜日

2023年・人件費高騰で、日本の企業が機能不全になる。日本人として考える時ではないでしょうか。

2019年、IT技術者が不足し始め、技術大国の地位が揺らぐ。2021年、介護離職が大量発生し、企業は管理職の人材不足に喘ぐ――人口減少はビジネスに大打撃をもたらすばかりではなく、社会全体が機能不全に陥る重大な問題だ。(詳しくはこちら http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51994)そんな閉塞感漂う未来の日本の姿を著し発売即4刷となった話題作『未来の年表』から、「2023年」の日本の予測値を特別公開する。

企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる

「注文は殺到しているのに、人手不足だから断らざるを得ないんだ」会社経営者からこんな嘆き声を聞くことが多くなった。景気の回復で需要が伸び、人繰りが追いつかないという業界もあるが、今後の日本の人手不足は経済動向だけでは計れない。むしろ少子高齢化に伴って、働き手全体の不足が顕著になってきていることに気付かなければならない。
その落ち込みは、目を覆いたくなるほどだ。

2015年国勢調査の抽出速報によれば、労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口〔就業者と求職者の合計〕の割合)が、前回2010年調査に比べて1.4ポイント減の59.8%となり、6割を切った。

実数でみると、労働力人口は6075万人と、295万人の減少である(前回調査は6370万人)。それは今後、さらに減っていく見通しだ。

内閣府が2014年に公表した労働力人口の将来推計によれば、

(1)合計特殊出生率が2030年に2.07にまで上昇し、以降同水準が維持される

(2)女性の労働力率が現在の約50%からスウェーデン並み(2030年85%、2060年90%)に上昇
 

(3)60歳以上の労働力率を5歳ずつ繰り上げる

といった3条件を満たしたとしても、2013年の6577万人から2030年には6285万人へと、実に300万人近く減る。2060年には5522万人である。
 
現状の水準で継続した場合についても試算しているが、数字はさらに悪化し、2030年は900万人近く少ない5683万人、2060年には3795万人と半減に近い落ち込みになると予測している。ここまで減ったのでは、日本経済が大きな打撃を受けるだけでなく、社会全体が機能不全に陥るだろう。

活気がなくなる、消費が冷え込む

労働力人口についても、減少が避けられないことを前提として対策を考えなければならない。政府は「1億総活躍社会の実現」や「働き方改革」を掲げ、女性や高齢者などがそれぞれのライフスタイルに合った様々な働き方ができるよう選択肢を広げようと急いでいるが、改革は緒に就いたばかりである。

長きにわたり「若い男性」を中心に成り立ってきた日本の労働慣行が、直ちに改まることはないだろう。景気動向に左右される短期的な人手不足とは異なり、人口減少に伴う構造的な労働力不足は、一朝一夕に解決する問題ではないのである。

労働力人口が減少すると、経済規模や労働市場が縮小する。国内総生産(GDP)はその国で1年間にどれだけのものが生産されたかという概念によって量られる。簡単に説明すれば、労働者数に労働者1人あたりの年間労働時間や年間生産量を掛けたものだ。人間1人に与えられた時間は1日24時間であり、そのうち働くことができる時間は限られている。

労働力人口が減れば、日本全体としての年間労働時間も減る。GDPを維持しようと思えば、労働生産性を上げるしかないが、口で言うほど簡単ではないだろう。

労働力人口減少の影響は、経済成長やビジネスの現場だけではなく、日常生活にも深くかかわる。労働力人口となる若き世代は、社会を支える役割も担っている。地域コミュニティのリーダーとして活躍している人も少なくない。

こうした人材が減ったのでは地域に活気がなくなる。地域の伝統行事や祭事の継承も難しくなる。高齢者や子供に対する地域の見守り機能は衰退し、治安維持や災害時の手助けもままならなくなる。

労働力人口となる世代は消費のリード役でもある。購買力のあるこの世代が減ったのでは消費も冷え込み、経済が停滞する悪循環をもたらす。結果として税収も落ち込み、地域によっては、行政の予算編成がままならなくなる事態にもなりかねない。

人手不足はあらゆる仕事にふりかかる。県庁や市役所といった行政機関で若手職員を思うように採用できなくなれば、住民サービスの提供に支障が出る。

やせ細った若者が高齢者をかつぐ

若者3人が高齢者1人を支える「騎馬戦型社会」から、いずれマンツーマンで支えなければならない「肩車型社会」へ転換するという譬え話がかつて盛んに語られた。だが、すでに「騎馬戦」は成り立たず、もはや2.3人で1人を支えている状況にある。

2065年の生産年齢人口は4529万人と現在の約60%ほどに減る一方、高齢化率は40%近くにまで増える(社人研の推計)。いよいよ「肩車型社会」が現実味を帯びてきた。

この問題の本質は、支え手の数が減ることだけにあるのではない。「肩車」の上に乗る高齢者の“体重”がずしりとのしかかるのである。高齢者の総数が増えるぶん、年金や医療・介護にかかる総費用も上昇する。

今後も高齢者は増加傾向にあるが、中でも同じ調子で増え続けるのは75歳以上だ。75歳を超えると大病を患う人が増え、1人あたりの医療費が、74歳以下の5倍近くもかかるというデータもある。これは、若者が高齢者を支える仕組みの社会保障制度にとって悪夢だ。
 
政府の試算によれば、社会保障給付費は2015年度は120兆円ほどだが、2025年度には約149兆円に膨らむ。高齢者数がピークを迎える2040年代初頭にはさらに大きくなることだろう。

一方、「肩車」を下支えする若者はといえば、人数が激減するだけでも大変なのに、その足腰は弱い。非正規労働者が増大し、就職できずに親の支援を受けている人は珍しくなく、親が亡くなった途端、生活保護という人もいる。

「肩車型社会」というのは、やせ細った若者が顔を真っ赤にして丸々と太った高齢者をかつぎあげている姿なのである。


国の予算のうち社会保障はすでに30%を占める。世界で最も速いペースで少子高齢化が進む日本にとって、国民の隅々にまで目配りして社会保障の充実を図っていくことなど無理な注文だということが分かるだろう。

「行財政の無駄を徹底的に削ればよい」とか、「経済成長すれば税収も増え、財源は確保できる」といった意見もあるが、行財政改革だけでは毎年1兆円近くも伸びる社会保障費を賄うだけの財源はとても捻出できない。

政府が追い求めるような、社会保障サービスを充実させながら、負担はある程度までで抑える「中福祉中負担」は幻想にすぎない。それなりの社会保障の水準を求めるのならば、「超高負担」を受け入れなければならないし、あまり負担したくないのであれば「低福祉」で我慢しなければならないということだ。

社会保障サービスの縮小も、増税などの負担増も、経済成長も行政改革も、すべて同時にやらなければならないというところまで日本は追い詰められているのである。

労働力人口の中でも高年齢化が進む

勤労世代の減少は企業経営に影を落とすことになるだろうが、もう1つ、あまり語られない重要なポイントがある。絶対数が減るだけではなく、この世代の中でも高年齢化が進む点だ。

2015年国勢調査によれば、20~29歳が1259万人に対し、30~49歳は3372万人、50~64歳は2372万人である。もちろん、それぞれの年齢層すべての人が仕事をしているわけではないが、単純計算をすれば、すでに3分の1を50歳以上が占めている。

高年齢化はさらに進み、社人研の人口の推計によれば、2040年には50歳以上の占める割合が4割を超す。

労働力人口の高年齢化を各職場に置き換えて考えれば、ベテラン社員が増えるということ。仕事に対する知識や熟練度は高いかもしれないが、ベテラン社員は行動力が鈍くなりがちだ。

仕事は若手からベテランまで多様な年代がいてこそ円滑に進むものであり、ある年齢層だけに偏ったのでは生産性を上げるのは難しい。若手が少なければ、ベテラン社員が仕事のコツや代々伝わるノウハウを引き継ぐこともできない。

高年齢化でとりわけ注目されるのが、人口ボリュームの大きい団塊ジュニア世代(1971~1974年生まれ)の動向だ。団塊世代が引退した今、大きな人口の塊である団塊ジュニア世代はさまざまなビジネスシーンに影響を与える。

社員の年齢構成の偏りは、企業にさらなる問題を突き付ける。人件費の増大だ。

団塊ジュニア世代は2017年時点で43~46歳である。彼らの年齢が上がるにつれて、人件費負担が重くのしかかってきている。

一般的に賃金のピークは50代前半とされることから、団塊ジュニア世代の先頭が50代に突入し始める2021年頃から、彼らの多くが50代となる2024年頃にかけて、企業の人件費はピークになると見られる。

団塊ジュニア世代とともに年齢構成を押し上げているのが「バブル世代」だ。日本経済がバブル期にあった1990年前後に入社した人たちで、団塊ジュニア世代より少し早い1969年生まれあたりから該当する。

バブル崩壊後は新卒採用が急激に抑制されたため、組織全体に占める割合が大きい。しかも、団塊ジュニア世代もバブル世代も、賃金が高い課長や部長といった管理職に就任する年齢に差しかかっているが、人数が多いので、ポストが不足しがちだ。

企業によっては彼らの処遇やモチベーションを引き出すために管理職ポストの増設を迫られるところもあり、人件費負担はより膨らむ方向へと作用する。

人件費やポスト不足の問題を乗り越えても安閑としていられない。団塊ジュニア世代が60代に突入する2032年以降は定年退職者が増え始め、退職金負担も大きくなる。

このように、労働力人口が高年齢化しながら大きく減少していく影響と歪みは複雑に交錯していく。その実態をよく知らなければ、企業のダメージは大きくなり、結果として日本の豊かさを削ぐことになる。

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【2023年の日本】まとめ
労働力人口が5年間で約300万人も減る一方、団塊ジュニア世代が高賃金をもらう50代に突入する。 現代ビジネスより
 
 
今の企業経営者で労働力不足についてどれほどの危機感を持っているのだろうかと言いたい。企業は相も変わらずキャリア構成のため、若者を募集している。
 
少子高齢化社会になっているのに、経営者の幹部はこのような考えである。これでは企業の認識を改めて貰うか、現実をしっかりと見極めないと、人手不足倒産になるのではないでしょうか。
 
仕事はあるが人手がないという、笑うに笑えない状況である。さらに、中小企業はもっといけない、採用するにしても労働条件が悪ければ少ない若者が中小企業に来るわけがない。来て貰うためには、人件費や労働条件を良くしなければ若者は見向きもしないであろう。それだけでも、中小企業にとっては、経費が増えることになり、悪循環に陥る可能性がある。
 
福祉の現場も今は人が来ないために、通年採用である、それでも人は来ないだけに、通年人手不足状態である。この状態を打開しようとすれば、高齢者・女性。海外の労働者といわれる人達を活用するしか方法はないのではないでしょうか。60歳からでも常勤として採用する。
 
私の子どもの次男は老人ホームで就職しているが、介護の仕事は万年人手不足である。そこの老人ホームは、インドネシア人を常勤職員として採用している。日本語もペラペラで日常的な介護には問題はないという。このように、東南アジア諸国からの労働者を受け入れる様にしなければ、人手不足は解消されないのではないでしょうか。海外から人を受け入れても、人手不足状態である。
 
後は東南アジア諸国から若者を採用して、日本で働いて貰う。但し韓国からの若者の労働者は日本での就労を認めないという措置を取って貰いたい。韓国の若者の失業率は高いだけに、韓国に取ってみれば、就職出来るだけに魅力であろう。
 
韓国よりも東南アジア諸国の方が親日の国が多いだけに、その様な国から日本に来て働いて貰いたい。韓国の反日は、これ程不愉快な事はない。韓国が頭を下げても日本の国は、反日の国からの若者を日本の国に入れてはいけない。観光なら仕方が無いが、就労ビザだけは、断固反対である。
 
妻の田舎は、ほとんど高齢者ばかりで、道を歩く人もほとんどいない状況である。まして若者などいないといいきってもいい状態である。活気など無いに等しい。
 
農業をする人も高齢者である。農業も出来なければ、日本の主食である米を誰が作るのか。
 
若者は高等学校を卒業すれば、自宅を出て、就職や大学に行くことになるが、そのまま、大学卒業後は大都会で生活することになる。これでは地方は衰退するのは目に見えている。
 
地方でもしっかり就職できる様にしていかないと、地方に若者が帰ってくるはずもない。
 
こんなことを書いていると、政治の問題になる。地方政治や国の政治が地方の活性化する政治をしなければ、ならないのは言うまでもない。高齢者や女性・東南アジア諸国の労働者を企業が採用するような政策を、企業経営者や政治家に考えて貰うしかないようである。
 
海外労働者を奴隷状態な働かせる企業には、罰金を1億円以上取り、企業名を公表し、法的な保護を明記する法律を作らなければ、海外労働者は守れない。日本人と同じ権利を明確にし、違法な労働をさせないようにしなければ、海外からの労働者は来ないのは言うまでもない。
 
日本の国は島国だけに、移民を受け入れる下地というものが無いのではないかと思う。さらに江戸時代は鎖国政策をしただけに、そのDNAが今でも引き継がれているとしか言い様がない。
 
移民受け入れのためには明治維新のように、外圧がなければならないのかと考える。今の日本人一人々が真剣に考えないと、将来の日本の希望は無いのではないかと思う。日本人として、考える時ではないでしょうか。 竹中一郎より

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