北朝鮮に昏睡状態のまま抑留されていた米国人学生のオットー・ワームビア氏が死亡した問題に注目が集まっている。そんな中、カナダの軍事専門家が、今年4月に北朝鮮に抑留された体験を生々しく語っていたことがわかった。
この専門家は、ブリティッシュコロンビア州バーノン在住のジェームズ・レイ氏。米国政府の情報機関での勤務経験があり、現在は民間軍事会社の契約社員として働いている。
レイ氏は、カナダの民間放送グローバルニュースが5月23日にオンエアしたインタビューで、北朝鮮での体験を語っている。
それによると、朝鮮語を話すことのできる同氏は数ヶ月前、旅行先で朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の元将官だという人物と偶然出会い、人民軍創建日(4月25日)の行事への参加を勧められ、北朝鮮に招待された。
同氏はその際、万が一のことを考え、自身の携帯電話とiPadに保存されていたすべての画像を消去した上で、4月22日に北朝鮮に入国した。それが悪夢の始まりだった。
「彼らは、画像がすべて消去されていたことに怒っていた」と語るレイ氏。インタビューでは詳細な過程には言及していないが、取調室に連行されたという。
「彼らは私のことを、米国のトランプ大統領から送り込まれたスパイで、金正恩党委員長を暗殺するか、データを盗み出す目的で来たのではないか、と話しているのが聞こえた」
(参考記事:金正恩氏、部下の車を「自分のトイレ」に改造か…米軍の「斬首作戦」恐れ)
2日以上にわたって厳しい尋問を受けたレイ氏は、北朝鮮から出国できなくなるのではないかという不安感に襲われ、ワームビア氏のケースを思い出したという。
「彼はお土産としてプロパガンダ用のポスターを盗んだだけなのに、15年の刑を言い渡された。『もう決まったな。これが人生最後のビッグアドベンチャーになる』と思った」
彼の部屋の隣には、北朝鮮の「政権を転覆させようとした」との容疑で抑留されている米国人教授のトニー・キム氏がいたという。キム氏は「北朝鮮には20人から30人の外国人が抑留されているが、誰も彼らのことを知らない、釈放されたら彼らのことを世間に公表する」とレイ氏に語ったという。
キム氏の言う「外国人」がどのような人々を指すのかは定かでないが、事実とすれば衝撃的な話だ。
(参考記事:「北朝鮮で自殺誘導目的の性拷問を受けた」米人権運動家)
キム氏とこのように話を交わせた理由について、レイ氏は米国の保守系メディア、ニュースマックスに「壁が紙のように薄かったから」と述べている。
世界各地の戦場を渡り歩いてきたレイ氏だが、北朝鮮での体験は最も恐ろしいものだったと語る。
「今まで世界各地で様々なひどいことを見てきたが、今回ほど恐ろしいと思ったことはない。それは、自分で自分のことを全くコントロールできない状況だったからだ」
彼の釈放は突然決まった。北朝鮮政府の関係者は、彼にもう数日滞在することを勧めるほど態度を一変させたという。
カナダに帰国したレイ氏は、トニー・キムさんの家族と連絡を取り続けており、同時に、カナダ外務省に彼の帰還のために動くように働きかけているという。デイリーNKより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年6月27日火曜日
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