2017年6月23日金曜日

文在寅政権の南北合同チーム計画に韓国選手が反発

韓国の文在寅(ムン・ジェンイン)政権が、2018年平昌五輪でアイスホッケー女子の南北合同チームを結成する計画を明らかにしたことに対し、韓国選手の間から「五輪を目標に血の汗を流してきた私たちに対してひどすぎる仕打ちだ」などと、反発の声があがっている。
     
韓国の聯合ニュースなどによると、文在寅大統領が文化体育観光相に登用した都鍾煥(ト・ジョンファン)氏は20日、平昌五輪の施設を訪れた際、「平昌五輪を平和五輪として行うための核心は北朝鮮が参加するかどうかだ」と述べ、一部競技の北朝鮮開催や平壌や開城(ケソン)を経由させる聖火リレー構想を明らかにした。都氏はさらに、アイスホッケー女子で南北合同チームを結成する計画も検討していることを明かし、「IOCと協力し、実現に努力したい」と述べた。

「五輪を平和の祭典にする」というのが文在寅政権の“大義名分”だが、寝耳に水の選手たちはショックを隠せずにいる。

韓国紙、朝鮮日報(日本語電子版)によると、延世大学音楽学部出身のハン・スジン(30)はピアニストになる道をあきらめて、アイスホッケーに情熱を注いできた。

韓国系カナダ人2世のパク・ウンジョン(28)はコロンビア大学医学大学院に休学届を出し、「どうしても一度は五輪でプレーしたい」と韓国国籍を取得した。
 
パク・チョンア(21)は中学2年生の時、生まれ育った江原道江陵から単身、ソウルに“留学”。月120万ウォン(約12万円)の訓練手当を頼りに、自炊をしながらアイスホッケーを続けてきた。
 
「最初で最後になるかもしれない五輪に出場するため、すべてをかけた」と口を揃える3人は、平昌五輪の開幕が8カ月後に迫ったこの時期に、突然、浮上した南北合同チーム結成計画に、「脱力感に襲われている」という。
 
これまで「南北合同チーム」は少なくとも2回結成されている。まず1991年4月に日本の千葉県で開催された卓球の世界選手権で初めて、「統一コリア」チームが結成された。朝鮮半島をかたどった「統一旗」を掲げ、女子団体で中国の10連覇を阻んだ。
 
同じ年の6月にポルトガルで開催されたサッカーのワールドユース選手権にも、南北統一チームが「コリア代表」として出場。ベスト8に進出する活躍をみせた。
 
公式戦ではないものの、2011年11月にカタール・ドーハで開催された卓球の親善試合にも、南北合同チームが出場したと伝えられている。
 
2000年シドニー五輪や2004年アテネ五輪、2006年トリノ冬季五輪などの開会式で、南北合同行進が行われたこともある。
 
朝鮮日報によると、過去に結成された南北合同チームは、韓国と北朝鮮、それぞれほぼ同数の選手で構成されてきた。アイスホッケー女子の登録選手は23人。過去の慣例を踏襲した場合、半数にあたる11-12人が北朝鮮選手となる計算だ。厳しい練習を重ねてきた韓国選手の半数が出場できない事態が予想され、多くの選手が「信じがたいニュース」「こんなことがあるのか」と憤っているという。
 
日本では2013年に公開された「ハナ~奇跡の46日間~」(ムン・ヒョンソン監督)という韓国映画がある。1991年卓球世界選手権に出場した南北統一チームの実話をもとにした映画だ。
 
映画の公式サイトによると、ハ・ジウォン演じる映画の主人公ヒョン・ジョンファは、韓国で空前の卓球ブームを巻き起こしたスター選手で、周囲の反対を押し切って南北統一チームへの決意する。〈南北の選手たちは練習方法やライフスタイル、価値観までもあまりにも違い、事ある毎にぶつかり、チームの代表する実力者ジョンファと北のリ・プニ(ペ・ドゥナ〉の神経戦も日増しに深刻になるのだが〉
 
映画のモデルとなった実在のヒョン・ジョンファさんは韓国芸能ニュースの日本語サイトに対し、「韓国と北朝鮮が試合をする時は、本当に戦争に臨む気持ちで試合をしなければいけない時だった。だからこそ、南と北が1つにチームになるということは想像すらしたことがなくて当惑した」と述懐している。
 
今年4月、韓国・江陵で行われた平昌五輪のテスト大会で、韓国と北朝鮮のアイスホッケー女子は対戦している。3-0で韓国が勝利した試合後、両チームは硬い表情で記念写真に収まった。戸惑う選手への配慮を欠く文在寅政権。「選手軽視」の南北合同チーム計画には、今後も批判が集まりそうだ。 産経ニュースより

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