2017年6月22日木曜日

米中初の外交・安保対話、対北朝鮮で溝

米中両政府は21日、初の外交・安全保障対話を開き、北朝鮮の核・ミサイル問題について協議した。米側によると、国連決議で制裁対象となっている北朝鮮企業との取引を控えることで一致した。米側は会合後に記者会見を開いて「中国はより強い圧力をかける責任がある」と迫ったが、中国側は北朝鮮との対話再開を重視するなど溝も目立った。

ティラーソン米国務長官は会合後の記者会見で、北朝鮮はアジア太平洋地域で「最も差し迫った脅威だ」とし、「米中は朝鮮半島の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化を求める」と述べた。そのうえで、北朝鮮企業を取引先に抱える中国企業が多いことを念頭に「北朝鮮は武器開発資金を集めるためのいくつもの犯罪企業に関与している。資金源を断つ努力を積み重ねなければならない」と述べ、違法取引の取り締まり強化を迫った。
 
マティス国防長官は同じ記者会見で、米国民は北朝鮮の相次ぐ挑発行為に不満を募らせていると強調した。トランプ大統領が前日に「(北朝鮮問題は)まだうまくいっていない」とツイートしたことに言及し、「孤立国で投獄された末の米国人学生の死が反映されたものだ」と説明。北朝鮮から昏睡(こんすい)状態で解放された米国人大学生ワームビア氏が死亡した問題が影響したとの見方を示した。

一方、中国側代表である外交担当トップの楊潔篪国務委員(副首相級)や人民解放軍の房峰輝統合参謀部参謀長は会合終了後、報道陣の質問に何も答えずに会場の国務省を立ち去った。昨年まで年1回開いていた米中戦略・経済対話で恒例だった共同記者会見は開かず、米側が意欲を示していた共同文書の作成も見送った。

中国メディアによると、中国は北朝鮮問題について核・ミサイル開発を停止させつつ、米国を中心とする軍事演習などの軍事圧力も止める「双停」を主張。米中で北朝鮮を対話路線に戻すべきだと呼びかけた。圧力重視の米国との違いが浮き彫りになった。

南シナ海で中国が進める軍事拠点化の問題についても議論した。ティラーソン氏は記者会見で「米国の立場は変わっていない」と強調。北朝鮮問題での協力と引き換えに、南シナ海問題で譲歩することはないと改めて意思表示した。中国側は「自らの領土や海洋権益を守るための措置を取る権利がある」と反論。米中双方の主張は平行線をたどったもようだ。

中国の海洋進出に伴い軍事的な衝突リスクが増大している問題に関しては、危機管理強化に向けた相互信頼の醸成について意見交換。国際的なテロ対策に向けて中国の協力強化も呼びかけた。

米中外交・安全保障対話 今年4月に習近平国家主席が訪米した際の米中首脳会談で設置を決めた、4つの閣僚級対話枠組みの一つ。ほかに包括的経済対話、法執行・サイバーセキュリティー対話、社会・文化対話の3つがある。
オバマ政権時代に年1回開催していた戦略・経済対話が包括的な内容を幅広く議論する場だったが、項目を絞り込んで深く協議する方式に衣替えした。分野ごとに別の日程で開き、外交安保対話は今回が初開催となる。夏には貿易問題などを扱う包括経済対話を開く予定だ。 日経新聞より

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