2017年6月26日月曜日

トランプ烈火に油“北朝鮮と五輪”提案…「4悪」

米韓首脳会談が29日、米ワシントンで始まる。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、さすがに初外遊先を平壌でなくワシントンとし、米韓の絆をアピールする方針のようだが、側近のトンデモ発言や米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備の遅れなど、「3大悪材料」(韓国紙)といわれる事態が出来。大統領府スタッフは直前まで火消しや釈明に追われたが、文氏自身が平昌冬季五輪での南北合同チーム結成まで提案する始末。自国民が非業の死に追い込まれ、北朝鮮に激怒するトランプ米大統領の目にはそれこそ「4大悪材料」と映る恐れもある。

■「米韓軍事訓練縮小」を一方的に提案

「学者として話しただけだ。それが大きな問題になることだろうか」

米国から帰国し、空港に到着した直後の21日、記者団にこう言い放ったのは文大統領の側近で統一外交安保特別補佐官の文正仁・延世大教授。

文教授はワシントンで16日開かれたセミナーで「北朝鮮が核・ミサイル開発を凍結すれば、米国の韓半島(朝鮮半島)での戦略資産や米韓軍事訓練の縮小も可能だ」との持論を披露した。

米国側はもちろん激怒。韓国大統領府も文教授に厳重警告をし、発言から50時間後に関係者が記者に弁明の背景説明を行った。

しかし、この場でも「文教授と文大統領の考えは違うのか」との質問に明確な説明がされなかったことから、「2人の考えはそれほど変わらないのだ」との米国の疑念を深めてしまい、特別補佐官の地位を返上するよう求める声も韓国内で出ているという。

そもそも軍事訓練の規模を米国側の同意なしに変えることは不可能であり、対北配慮のための「縮小」は地域に何のメリットももたらさないことを政権関係者のうち果たして何人が理解しているのだろうか。
 
■おとぎの国の大統領

韓国紙朝鮮日報によると、他の2つの悪材料は、THAAD配備をめぐる問題と米国要人冷遇説だ。

文政権がTHAADに反対する中国の顔色をうかがっているため、配備が遅れたり配備計画をめぐる両国の認識に大きなズレが出たりしていることにトランプ大統領は「激怒した」と伝えられている。

米国要人冷遇説は、共和党のマケイン上院議員の訪韓予定をめぐるもので、「訪韓が大統領府の冷遇で取り消された」との日本メディアの報道に韓国の大統領府側は次のように反論した。

「大統領との昼食会の約束を設定したが、マケイン氏側から改めて調整してほしいと要請があり、さらに訪韓が難しくなったと伝えられた」

3月に訪韓したティラーソン米国務長官との夕食会問題では、「疲労のために夕食会を長官が断った」との韓国メディアの報道を「もともと韓国側から招待がなかった。それを隠すため韓国側が自国メディアにそう説明した」(米政権側)と暴露される一件があり、そのときの不手際をほうふつとさせる。

しかし、これらの3悪をさらに上塗りしそうなのが文氏の北発言だ。

「平昌五輪に北朝鮮選手団が参加すれば、人類の和合と世界平和推進という五輪の価値を実現するのに大きく寄与する」

北を正統なパートナーとし、国際社会で花を持たせようとしている。

米社会には、北朝鮮に拘束された大学生、ワームビア氏の非業の死で北朝鮮に対する怒りが沸騰している。異母兄を外国の空港で殺害した疑いも濃厚な金正恩政権になぜ手をさしのべようとするのだろう。

文氏はまさに、「北朝鮮との関係にファンタジーを夢想する」(武藤正敏元駐韓大使著「韓国人に生まれなくてよかった」 http://www.goku-books.jp/book/b287625.html )「おとぎの国の王子様」(同)といえるだろう。  産経ニュースより

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