米国が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権に激高している。約17カ月間も不当に拘束され、昏睡(こんすい)状態で解放された米国人大学生、オットー・ワームビア氏(22)について「拷問死」との見方が強まっているのだ。中国による「対北圧力」が期待外れとなるなか、ドナルド・トランプ政権が「先制攻撃の大義名分」を手に入れ、「日米韓の拉致被害者奪還作戦」の検討に入ったという分析もある。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の暴走に、「恩知らず!」と激憤したというトランプ大統領。ジャーナリストの加賀孝英氏が最新情報を報告する。
ワームビア氏は、正恩政権に殺された。米国は、敵対勢力によって、(米国)市民が殺されるのを、断じて容認することはできない」
「不当に(ワームビア氏を)拘束した責任は(正恩氏に)負わせる」
米共和党の重鎮、ジョン・マケイン上院議員と、レックス・ティラーソン国務長官は19、20日、北朝鮮をこう糾弾し、報復を断言した。
トランプ大統領も激怒し、「北朝鮮当局の残虐な行為を非難する」との声明を出すとともに、「無実の人々が捕らわれる悲劇を防ぐ」ため、米国民の北朝鮮への渡航禁止の検討を、命じた。
旧知の外務省関係者はこういう。
「米国のテレビが執拗(しつよう)に『彼は殺された』と報道し、北朝鮮を非難している。米全土、一般市民から、北朝鮮に対する激しい怒りが吹き出している。こんな事態は、初めてだ」
ワームビア氏が北朝鮮に拘束され、死亡した経緯は以下の通りだ。
《昨年1月、北朝鮮旅行の帰国直前、ホテルから展示物を盗み、持ち帰ろうとしたとして拘束された。同年3月、『国家転覆陰謀罪』で労働教化15年の判決。今月13日、昏睡状態で解放されて帰国し、死亡した。脳組織の多くが壊死(えし)していた。北朝鮮は『ボツリヌス菌に感染した』『誠意をもって治療した』と説明したが、米医療機関の検査では、菌など発見できなかった》
米情報当局関係者は激怒して、こういう。
「すべてウソ。死因は拷問と虐待だ。それに、彼は何も盗んでいない。帰国の際、自分の靴を、部屋にあった朝鮮労働党機関紙、労働新聞で包んだ。新聞に正恩氏の写真があり、『不敬罪』でハメられた。計画的だ」
「逮捕から5日後、北朝鮮は『水爆』と称した4回目の核実験を強行した。全世界に玉砕覚悟のケンカを売った。一番怖い米軍が攻撃できないように、ワームビア氏を人質にした。そして、口封じの拷問で殺された」
人の命を何だと思っているのか! 無実の人間にぬれぎぬを着せ、拷問死に追い込むなど、断じて許すことはできない。
日本人も同様の、深刻な被害を受けている。
横田めぐみさん(52)=拉致当時(13)=をはじめ、今も北朝鮮に拘束され、望郷の涙を流している、日本人拉致被害者たちだ。
実は、米国が北朝鮮に対し、核と大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発の放棄だけでなく、「日米韓3カ国の拉致被害者奪還作戦」の検討に入った、という情報がある。
以下、複数の米政府関係者、米軍関係者から得た情報だ。
「米中両政府は21日、初の『外交・安全保障対話』を開き、北朝鮮問題を話し合った。結果は決裂だ。中国にだまされた。中国は『われわれはとっくに朝鮮半島から手を引いている』とまで言って、開き直った」
トランプ氏と習近平国家主席が4月に行った米中首脳会談で、中国は北朝鮮に「100日間」圧力をかける。結果が出なければ「米国の(先制攻撃などの)単独行動を容認する」ことで合意している。
デッドラインは7月中旬だ。米中の「外交・安全保障対話」が決裂した以上、米国は単独行動を決断する。
「米国家安全保障会議(NSC)の面々は、今後、北朝鮮に対し、従来の『核・ミサイル開発』の放棄に加え、まだ拘束されている米国人と、日韓の拉致被害者の解放を求め、それを『米朝協議の絶対条件』にする検討を始めている」
そして、核心的な情報は次の通りだ。
「北朝鮮が拒否し、米国が『先制攻撃=斬首作戦』などの軍事行動を決断した場合でも、米国人の拷問死や、拉致・虐待などの人権問題がある以上、国際法上の正当性も、全世界の圧倒的同意も得られる」
拉致被害者の奪還は、日本国民すべての切なる願いだ。総力をあげて動かなければならない。
こうしたなか、大きな問題がある。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の暴走・迷走だ。
在韓米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」本格配備を、意図的に遅らせ、来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪では、北朝鮮との共同開催をブチ上げた。
これは国連決議のもと、世界各国が平和のために、北朝鮮に圧力をかけてきた必死の努力を潰すものだ。正気なのか。
外事警察関係者は「トランプ氏は『恩知らず!』と韓国を罵(ののし)っている。世界は『文氏は北側の人間。同盟国を裏切る気だ』と警戒している」と語る。
29日からワシントンで米韓首脳会談が行われる。トランプ氏には、文氏の尻を蹴り飛ばすぐらい、ガツンとやってもらいたい。そうでなければ、韓国は永遠に目覚めない。
■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年6月27日火曜日
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