2017年6月22日木曜日

国民の生活より核開発の北朝鮮、その想像し難いほどの「したたかさ」

南の道(ド)について書いて終わりにしようと思ったが、本来は南から北まで含め一つの国なので、北朝鮮の道についても簡単にスケッチしてこの稿をまとめようと思う。

東北部、ロシアのウラジオストクと接しているのが咸鏡北道(ハムギョンプクド)、その南に咸鏡南道(ハムギョンナムド)、咸鏡北道の西に両江道(リャンガンド)、慈江道(チャガンド)と続き、その西に平安北道(ピョンアンプクド)、平安南道(ピョンアンナムド)、そして 黄海北道(ファンヘプクド)、黄海南道(ファンヘナムド)とあり、東の外れに江原道(カンウォンド)がある。

江原道は韓国の江原道と同じ表記だ。韓国の江原道のすぐ上に北の江原道が位置する。北緯38度線で区切られている格好だ。

このように北朝鮮には道が9つある。そして平壌(ピョンヤン)直轄市、羅先(ラソン)特別市、南浦(ナムポ)特別市があり、さらに新義州(シンウィジュ)特別行政区、開城(ケソン)工業地区、金剛山(クムガンサン)国際観光特別区となっていて、締めて15の行政区画になっている。ちなみに韓国は17の区画になっている。

北朝鮮は、金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)、金正恩(キム・ジョンウン)と三代にわたる独裁体制を維持する世界でも類を見ない国だ。2011年12月17日の正日氏死去の後、北の最高権力者となった正恩氏も今年(2017年)で足掛け7年目となり、彼に盾突く危険性のある者たちをことごとく粛清しているため、安定した時代に入ってきていると見る向きもある。

科学者、外交官、歌手、踊り子といったいわゆるエリート層に属する人たちの脱北が急増している中、北の独裁体制は一応安定しているように見え、不思議ではある。韓国のテレビに出演し北の悲惨さを涙ながらに訴える脱北の歌手などを見ていると、今すぐにも崩壊してしまうんじゃないかと思うのだが、いったん固まってしまった組織や体制というものは、その中身がどんなに卑劣で汚れたものであるとしても、ちょっとやそっとでは崩壊するなんてことはないようだ。

白頭山(ペクトゥサン)は、両江道に位置し2744メートルの高さを誇る朝鮮半島一の名峰だ。カルデラ湖の天池(チョンジ)は周囲14キロ、最大水深384メートルという大カルデラ湖だ。これほど大量の水が2700メートルを越える山のてっぺんにあること自体、かなり神秘的な現象ではないだろうか。

雨もたまるが、下から水が常に湧き出ているからあのように常に満々たる水量を誇っているのであろう。火山の爆発でできた湖だから、湧き出る水はマグマに温められて熱いお湯つまり温泉になるように思えるのだが、天池の水は冷たいことでも有名だ。不思議な湖である。もっとも、白頭山は毎年2センチずつ高くなっており、中腹のあちこちから湧き出す水はお湯(温泉)である。活火山であることははっきりしており、富士山とともに火山の爆発が遠い未来の話ではないと言われている。


900年代の爆発によって大帝国であった渤海が滅亡したとも言われており、その時の火山灰は今でも北海道から採取されるという。全天が真っ暗になるほどの巨大な爆発であったと言われている。いつになるか分からないが、近いうちにまた爆発するはずだ。もしも今爆発すれば、北朝鮮という国は自動的に崩壊してしまうだろう。何の武力の必要もなしに。

この白頭山、檀君(タングン)の生誕地として韓民族にとっては聖なる山であり精神的支柱ともいえる山であるが、その多くの部分を中国に売り渡し、中国と北朝鮮の比率が5対3という割合であるというから、韓国人が腹を立てるのもうなずけるというものだ。南北が統一しても、8分の3しか楽しめないじゃないかというわけだ。金に困ってのことだとは推察するけど、民族の霊山をそんな簡単に売り飛ばしてもいいの?と筆者は第三者ながら気がもめるところだ。

あの霊水・天池も、天池本人は存ぜぬところであろうが、ほぼ中心線が国境となっており、此岸は北朝鮮、彼岸は中国となっている。もちろん天池の上に線が引かれているわけではないけれど。

北の核について言及しよう。韓国、日本、米国などからの援助の金を使って核開発をやってきたとされるが、それだけ核をなんとしても早く完成させようとしていたことが分かる。幹部以外のすべての民衆は、食べるものもなく苦しみにあえいでいるとき、北の中枢は核開発に余念がなかったのである。ある意味それは理解できないこともない。核さえあれば米や韓の強力な武器もなんら怖くないわけで。これまで何度、核を口実に会談を開催し援助を取り付けてきたことか。「これこれしかじかの援助をくれるなら核はやめる」という言い回しで。

米も韓も同じ口車に何度乗せられたことか。「今度こそは本当だろう」と誰しもが思うような言い方を北はする。でも約束が守られたことはない。理由は簡単だ。北が核を放棄する考えなど初めから全くないからである。北が核を放棄することはイコール北の体制を放棄することである。北の核放棄はあり得ないことなのである。

核実験、もちろんしてもらっては困るけど、「北よ、核実験をやるでない」と言える国は、実はどこにもない。国際法上は違反しているのかもしれないが、米国も中国もロシアも、過去におびただしい核実験をやってこの地球を放射能汚染させてきた。その汚染度は、想像を絶するものらしいけど、どこのマスコミもそれを報道することはない。大国あるいは権力のせいと言っていいかもしれない。パワーの側に不利になることは、放射能に限らず表面に現れてこないようだ。どこかでなんらかのバイアスがかけられているからであろう。

北はここのところをよく知っているから、誰がなんと言おうと常に「屁のかっぱ」なのである。つべこべ言うやつがいれば、「おまえだってやってるくせに、なんでおれにだけやるなと言うんだよ。そんなことをいえる義理かよ」というわけだ。北の肝の据わり方、あるいはしたたかさは、私のような小物がどうして想像などできようか。その腹の黒さと言えばいいのか、度量の大きさと言えばいいのか、駆け引きのうまさと言えばいいのか、ちょっと表現しかねるけれど、それは、底なし沼の深さを計測するよりももっと難しいワザであろう。核あっての北。これからもきっと核保有を続けるだろう。

北が時々やる核実験だが、これだけはやめてほしいものだ。それでなくてさえ大気といわず海といわず放射能汚染が深刻なわけだから。これ以上、極東のこの狭い地域に放射能をばらまくことはやめてもらいたい。  レコードチャイナより

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