■ダークエネルギー(暗黒エネルギー)とは何か?
画像は「Wikipedia」より
天文物理学者が知りうる物質をすべて加算しても、宇宙を構成するには足りないということに気がついた。そしてそのつじつまを合わせるために、宇宙を構成する足りない物質のひとつを仮説的に「ダークエネルギー」とした。
時空は重力によって内側に引っ張られているにもかかわらず、宇宙全体は膨張し続けており、その膨張速度は加速度的に上昇している。したがってダークエネルギーは負の圧力を持ち、重力によって収縮されるはずの時空を逆に押し広げていると考えられている。
時空の膨張によって広げられた空間には、空間以上にダークエネルギーがあると考えられている。宇宙の膨張の観察によって計算されたダークエネルギーは、この宇宙空間の約70%をしめるというが、まだ誰もダークエネルギーそのものを発見できていない。最新情報は、2015年8月に研究発表されたもので、ダークエネルギーのほんの一部が発見できるかもしれないという場所を探し当てた程度であるという。
■ダークマター(暗黒物質)とは何か?
画像は「Wikimedia Commons」より
観察によれば、宇宙の84%の物質は光を放ったり、吸収したりはしていないという。「ダークマター」は、またの名を暗黒物質と呼ばれるように宇宙空間に存在しながらも見ることのできない物質ということになる。直接確認をとることはおろか、いまだに間接的にさえもその存在の確認はとれていないのだが、放射線や宇宙の構造上の重力の作用などからそこにあるとされている物質である。
ダークマターは、銀河系の周辺部分に充満していて、素粒子物理学の観点からは「WIMPS」と呼ばれる、質量は持つものの相互作用をほとんど持たない素粒子として、天文物理学の観点からは「MACHO」と呼ばれる、電磁波を放出しているものの暗すぎて現時点の観察能力では見つけることができない物質として考えられてはいるが、いまだに発見には至っていない。最新の研究では、ダークマターは宇宙全体に髪の毛のように細長く流れていて、地球からも放出されているとの仮説も出てきている。
■なぜ時間は一方向に進むのか?
宇宙の特性として、エントロピー(乱雑さ)は増大する一方で、そのエントロピーを逆転する方法がないからこそ、時間は一方的に進むと考えられている。エントロピーの増大とは(ちょっと危険だがものすごく乱暴に言ってしまうと)、水の入っているコップにお湯を注いだ時には自然に混ざってぬるま湯になるが(混ざる=エントロピー増大)、逆にぬるま湯を熱湯と冷水に分離することはできないという例に置き換えることができる。
閉鎖された環境の中では、他からなんらかのエネルギーが加わらない限り、整った状態から乱雑な状態へと進んでいくということで、エントロピーは低い状態から高い状態へと移っていくことになる。そこで問題になるのが、「なぜ宇宙は過去にエントロピーが低い状態であったのか?」という疑問である。言い換えれば、莫大なエネルギーが小さな空間に詰め込まれていたものが爆発し、膨張している宇宙だが、ではもともとの整った状態である宇宙とはどういうものなのだろうか? と、いうことなのである。
画像は「Wikimedia Commons」より
■パラレルユニバースは存在するのか?
天文物理学上のデータにおいては、時空は曲面ではなく完全な平面であり、したがって時空は永遠に続いているものと考えられる。もしそうであるならば、宇宙と考えられている領域は、単につなぎ合わされている多元宇宙(マルチバース)の一部分であることになり、量子力学的にはそれぞれの宇宙には有限の組み合わせ(10の10乗の122乗)が無限に繰り返されていることになるということになる。
有限なモノの組み合わせを無限回繰り返すということは、例えば私たちの宇宙の組み合わせと全く同じ組み合わせをもった同じ宇宙が存在する可能性や、粒子1つ分だけずれている組み合わせ、2つだけずれている組み合わせから、すべての組み合わせが異なっている宇宙まで、無限に平行した宇宙が存在するということになる。このロジックは正しいのであろうか?
もしこのロジックが正しいとすれば、その幾重にも平行する宇宙の存在は確認することができるのか? これも、未解決の問題であるとされている。 トカナより
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