2016年6月19日日曜日

英国EU離脱は経済を押し下げる

ワシントン=時事 国際通貨基金(IMF)は17日、英国が欧州連合(EU)離脱を決めれば、英実質GDPが2019年には、残留と比べて最大で5.6%押し下げられるとの分析を発表しました。英経済は世界的な金融危機の状況並のリスクを抱え込む可能性があると警告しています。

IMFによると、英国が離脱すればEUの一員として受けてきた自由貿易協定などの恩恵を失い、輸出に対する、高関税や非関税障壁に直面。特に金融部門と医薬品、航空、自動車など付加価値の高い製造業が打撃を受ける公算が大きい。物価は短期的に急上昇し、家計を圧迫します。

離脱後の英国が、EUなどとの新たな経済連携を速やかに構築できなければ、英経済には強い逆風が吹くと指摘。この悲観シナリオでは、英国GDP成長率が16年に1.0%、17年にはマイナス0.8%と、残留の場合とそれぞれ1.9%、2.2%から大きく落ち込み増す。

経済連携の早期実現を前提にした、楽観シナリオでも、成長率は16年1.7%、17年1.4%と低迷。いずれものシナリオでも19年までは残留を下回る成長率が続き、20年代半ば時点でもGDPは1.5~4.5%押し下げられます。

離脱によるGDP押し下げ幅は18年にEU各国で最大0.5%、世界全体で最大0.2%と予想しています。

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