タイムリミットはあと1年。米経済誌フォーブス(電子版)で、「今後1~3年以内に債務危機に陥る確率が高い7カ国」が報じられ、1位が中国、4位に香港となり、5位には韓国が入った。米紙ウォールストリート・ジャーナルでは「資本流出にあと1年は耐えられない」と中国の通貨危機に言及するなど、欧米のメディアや研究者が中韓の連鎖危機に強い警戒心を抱いていることがうかがえる。
「債務危機に最も脆弱(ぜいじゃく)な7カ国」と題した記事をフォーブスに寄稿したのは、オーストラリア出身で英キングストン大教授のスティーブ・キーン氏。
国際決済銀行(BIS)のデータなどを用いて各国の債務状況などを分析したところ、1~3年以内に債務危機に陥る可能性が高い順に中国、オーストラリア、スウェーデン、香港、韓国、カナダ、ノルウェーを挙げた。
過去150年間の国家の債務危機に関する研究によると、民間債務が対国内総生産(GDP)比で150%を突破し、さらに過去5年で20%増加した場合、危機が頻繁に発生するとした。
前出の7カ国・地域の民間債務の対GDP比は、いずれも175%を超え、前年の民間債務の増加額がGDPの10%を上回っているという。
BISの統計をみると、2015年9月末時点で中国の民間債務の対GDP比は205%と、GDPの2倍を突破。1990年代の日本のバブル崩壊後の水準に近づいた。
オーストラリアも206%、スウェーデンが236%、香港が285%と高く、韓国が193%に達している。
ちなみに政府債務は多い日本だが、民間債務の対GDP比率は167%で、記事では全く言及されていない。
キーン氏は、こうした国々が債務危機に陥る正確なタイミングについては、「民間部門が銀行から金を借りようとする意欲や、銀行部門の貸出意欲がいつ止まるか、さらには国の政策によって変わるため、正確に計ることはできない」とする。
しかし、危機突入のサインは、貸出資金などの伸び率が低下に転じることだと説明、「中国のような景気刺激策で危機を永遠に回避することはできず、傷ついた経済のリストに名を連ねることになるだろう」と見通しを示している。
一方、ウォールストリート・ジャーナルは「中国に迫り来る通貨危機」と題する寄稿を掲載した。中国の金融調査会社創業者と英資産運用会社最高投資責任者の2人が執筆したもので、「昨年の中国の資本流出額は約1兆ドル(約112兆円)で、うち外貨準備の取り崩し分は5126億6000万ドル(約57兆4000億円)。このペースの資本流出に1年は耐えられないだろう」と分析した。
「中国には、資本不足時の経済運営について知識が乏しく、手立てもほとんどない。不動産価格は50%下落し、人々は職を失うことになるだろう」と警告。人民元の下落は避けられず、「中国の物語が幕を閉じるのは目前に迫っている」としている。
中国などの債務危機と通貨危機を危惧する論考が相次いだが、2つの危機は連鎖していると解説するのは、週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏だ。
「中国の債務は雪だるま式に増え続けているが、ここにきて上海など一部の都市で住宅バブルを再燃させるなど、新たな債務を増やそうとしている。こうした状況を警戒して資本流出が加速すると、通貨危機を招き、自国通貨建ての債務がさらに拡大する事態を招く。中国政府は介入で人民元相場を維持してきたが、もはや持ちこたえられない。債務危機と通貨危機は中国経済にとって死刑宣告のようなものだ」 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年6月12日日曜日
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