米軍の支援を受けたイラク政府軍が、過激派組織ISからバクダッド西方のファルージャを奪還する軍事作戦を続けています。ISは国家樹立を宣言する半年前ファルージャを支配してきました。
市民を狙撃
ファルージャは、米軍が03年にイラクに侵攻した後、その占領に抵抗した町。国際テロ組織アルカイダが当時、その抵抗につけ込んで牙城にしました。ISの源流の一つはここにあります。
ISはこれまで、ファルージャ住民を恐怖で支配してきました。人々は息子をIS戦闘員に取られ、娘をIS戦闘員の結婚相手にさせられたりしました。何人もの死体を見ました。耐えられず自殺した人もいます。
こう語るのはファルージャの元住民アブ・アブドラ氏。政府軍の奪還作戦開始後、首都バクダッドに逃れます。ずっと脱出できなかった。狙撃手が狙っていますといいます。
イラクからの報道でも、町を脱出する市民をIS戦闘員が狙撃しています。国連は8日、ファルージャ市内に9万人が取り残されていると発表しています。
政府の拷問
一方、国連は6日、政府軍やシーア派民兵が、ファルージャから逃れた人をIS戦闘員と疑い、拷問し処刑しているとの申し出があると発表しました。ファルージャが位置するアンバル県の政治家らは7日、この蛮行を黙認しているとしてアバディ首相に辞任を要求しました。
アンバル県の住民にはイスラム教スンニ派が多いのに対し、ファルージャ奪還作戦に従事する政府軍と民兵はシーア派が主導です。
イラクの政治評論家のウリド・ズバイディ氏は指摘します。シーア派民兵が政府軍の作戦に加わるのは、ファルージャ住民に対する心理戦争です。政府に抵抗する住民の意思を撃つ砕くためです。
ファルージャ住民は12~13年にスンニ派を差別する政治に反対し運動を続けました。スンニ派であるISの前身は、住民と政府のこの対立を利用し、ファルージャを制圧しました。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年6月12日日曜日
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