2016年1月15日金曜日

世界の恥さらし平昌冬季五輪開催危ぶまれる

韓国・平昌五輪組織委員会は2016年2月に実施予定の平昌五輪(18年2月開催)の初のテスト大会となるスキー・ワールドカップ(W杯)開催に向けて必死だ。施設建設の遅れで「赤信号が灯った」と韓国メディアでも中止が懸念させたほど。開催は国際的な信用問題だけに、五輪組織委は利用可能な人材や装備を総動員し、テスト大会が滞りなく行われるようにすると焦燥感を募らせる。すでに15年2月の段階で、国際スキー連盟(FIS)のジャン・フランコ・カスパー会長が開催は「ほぼ不可能」と警告し、緊急代替開催地を定めている。五輪組織委は国際オリンピック委員会(IOC)とFISに開催を何度も約束しているだけに、万が一中止になれば「世界に恥をさらすことになるのでは」などと韓国ネットユーザーも懸念を募らせている。

テスト大会のスキーW杯は2月6、7日に江原道の旌善アルペン競技場で男子滑降とスーパー大回転を実施する予定になっている。テスト大会は本番に先立ってコースの点検と大会運営の経験を積むために行われ、五輪を適切に行う能力があるかを計る試金石になる。

ところが、開催が危ういのではと、韓国・SBS(電子版)が15年12月15日付で報じた。15年12月中旬で旌善アルペン競技場の進捗率は53.7%。五輪組織委が実施可能とみる60%に達していない。SBSによると、工事遅れの最大の要因は競技場周辺の環境破壊論議によって着工が遅れたためだという。実際に工事が着工されるまで1年以上を費やした。

さらにお粗末な話だが、地盤が軟弱で補強工事が必要にもかかわらず、問題が発覚したのは11年7月に招致が決まってから4年が経過した15年春以降になってからという。これにはSBSも「話にならない」と呆れるばかりだ。

このため、開催に不可欠な施設である22基のゴンドラ設置が終わっていない。急遽、世界最大の豪州のゴンドラメーカーから最高水準の技術者が緊急派遣され、夜間も不眠不休で工事を進められているが、デッドラインとされる今年の1月20日までに準備が完了するかは「未知数だ」とSBSは報じていた。カスパー会長は15年9月、SBSに対し、ゴンドラだけでもデッドラインに合わせて設置されれば、大会の実施は可能と譲歩したが、FISは緊急代替候補地としてオーストリアを定めている。

SBSは「すでに数年前に日程が確定した大会を開幕直前にできないとなれば、対外的な信頼の失墜はもちろん、とてつもない国際的な恥さらしになる」と危機感をあらわにした。

五輪組織委の趙亮鎬委員長は8月末にSBSの取材に対し、必要なら夜間工事もできるとしながらも「現時点ではその計画はない。通常の工程で十分である」と語っていた。さすがに遅延する進捗状況に昨年12月には「最初のテストイベントだけに平昌の信用がかかった問題だ。平昌の信頼性を守り、世界との約束を守るために必ず行わなければならない」と檄を飛ばし、自らドイツのゴンドラ製作会社と談判したと韓国メディアは報じた。

デッドラインは間近だ。韓国メディアは1月に入ってテスト大会開催に楽観的な雰囲気だが、SBSは昨年12月半ば、五輪組織委の一部関係者が、どうせ恥をかくのなら16年1月初めに開催するかどうかを最終決定することが「少しでも悪口を減らす方法だ」という話までしていたと、まことしやかに報じていた。

韓国ではF1韓国GPの中止や、14年の仁川アジア大会の運営などで不評を買い、国際的な大会の運営能力に疑問を持たれている。それだけに当初予算の1.6倍となる約13兆5000億ウォン(約1兆3100万円)をかける五輪という国家事業の不手際に韓国民も呆れるばかりだ。ネットには「着々と韓国の評判を下げるための準備を進めているとしか思えない」など懸念の声が寄せられている。  産経ニュースより

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