中国の2015年の経済成長率が25年ぶりに低い伸びにとどまりました。世界経済の牽引役となってきた、中国の成長が息切れを起こし、中国経済の屋台骨だった製造業では経営破綻する企業も出始めています。世界の金融市場を揺るがしている中国経済の先行きは予断を許さない状況です。
若い者はみんな、新しい仕事を探しに出ていった。河北省の農村部にある中堅鉄鋼メーカーで40年働いたという白髪の女性は、ひっそりと静まった従業員宿舎の前で肩を落としました。突然の操業停止で7000人~8000人いた従業員は事実上の解雇通告を受けたという。
15年の中国の粗鋼鉄鋼量は前年比2.3%減と、異例の前年割れ。河北省の鉄鋼メーカーは昨年11月、7ヶ月の賃金未払いの末操業を停止しました。従業員相手の飲食店も軒並み閉店し、企業の城下町はゴーストタウン化。70代の男性は高齢者だけ取り残されたと嘆きます。
中国メディアによると、同社は昨年1月~9月に約85億円の赤字を計上。電気料金約17億円が未納となったため、電力供給を停止され操業が出来なくなりました。元従業員は会社は倒産出来ないと言い張ったが、操業の再開は全く見込めないと話しました。
かつて日本でも産業のコメと呼ばれた鉄鋼業。その不況は深刻です。鋼材はこれまでの5年間で半値以下になっており、特に過去1年の下落が急激です。需要を無視した過剰生産と不動産市場が不信の背景にあります。
中国の鉄鋼製品はマンションの柱などにつかう建材材料向けが中心。不動産市場が好調になると中小メーカーが急激な増産に走り、不動産が不振に陥ると値崩れを起こしました。
日系大手の関係者は、その構造的問題が解決されない限り、状況は変わりようがないと語っています。
現在の景気減速の背景にあるのは、リーマン・ショックを受けて打ち出した約72兆円の大型刺激策です。世界各国は当時、中国の対策を称賛しましたが、今、その負の遺産が中国経済の足を引っ張っています。
政府の号令で、闇雲な設備投資と住宅建設に走った結果、過剰設備と住宅在庫に加え、借金の山が残りました。世界の金融市場は新たな景気対策に期待しますが、政府は08年当時のような措置に慎重な姿勢を崩しません。
習近平指導部は経済成長が徐々に減速するニューノーマル(新常態)の局面を容認する姿勢。世界の株式市場は今後も中国不安売りに悩まれそうです。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年1月22日金曜日
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