2016年1月24日日曜日

事故バスのギアが何故、ニュートラルに

学生など15人の命を奪った長野県軽井沢町のスキーバス転落事故から1週間。バスのギアがニュートラル状態だった事に、バスメーカー関係者とバスのベテラン運転手は、無理なギアチェンジを防ぐ制御が働いたかも知れないとし、次のような話をしています。

バスメーカー関係者の話では、ギアのニュートラル(N)とはタイヤとエンジン側のギアのかみ合わせが遮断され、動力が伝達されない状態をいいます。大型バスにはエンジンの過剰な回転を防止するための電子制御が搭載されています。ギアを大幅に高速から低速に下げると、エンジンの回転数が急激に上がりエンジンを破壊するエリア(レッドゾーン)に到達する危険があります。それを防ぐためにギアが入らない様に制御しているのです。

事故車は6段変速のマニュアル車です。通常は、ギアは高速に対応する6速から5速、4速へと順番に下げていくように取扱説明書に書いてあります。ギアを無理に一気に下げようとするとギアがうまく入ってくれない。入らない場合(N)に一度戻して、元のギアに入れるのが普通です。

ギアが何速に入っているのかは運転席の正面にあるスピードメーターの横に表示されます。ギアが入らない場合は、ブザーが鳴るので運転手にも分かる様になっています。

ベテラン運転手は、国交省が公表した映像を見る限り時速80㌔以上は出ているでしょう。多分ギアは5速(最速100㌔)で4速(最速70㌔)に落とそうとしたと思います。ギアのレバーの動きは5速→N→4速となります。しかし、80㌔以上、出ているので制御が働いてギアははね返され、レバーはNに戻ります。バスはNのまま押されてていったのではないかと思われる。

普通はどのギアが何㌔までか分かっています。5速から一気に3速に入れようとするしたかも知れません。それでは絶対に入りません。本来はギアは指先の軽い力で入ります。運転手はよっぽど不慣れだったかも知れないと考えられます。

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