市場のパニックが未来を暗示しているかのようだ。日銀の「マイナス金利」導入決定で、きのう(29日)は円も株も乱高下。黒田東彦総裁は決定後の会見で、「必要な場合にはさらに金利を引き下げる」なんて息巻いていたが、庶民生活にとっては“マイナス”どころか、ドン底にまでたたき落とされそうだ。
そもそも黒田総裁は、先週21日の参院決算委で「現時点でマイナス金利を具体的に考えていることはない」なんて導入を否定していた。“舌の根も乾かぬうちに”とは、このことだろう。
「サプライズというか、詐欺的というか。それだけ黒田日銀が追い詰められている証拠です」(大手証券アナリスト)
さらに黒田総裁は、マイナス金利には「プラス面とマイナス面と、いろいろある」と、自ら“副作用”があることを認めていた。金利低下による銀行の収益悪化もそのひとつだ。経済評論家の荻原博子氏が言う。
「いくら日銀から『お金を貸し出せ』とせっつかれても、需要がなければ民間の金融機関もどうしようもない。1部上場企業は内部留保がたっぷりあって、銀行から借りる必要がない。その必要がある中小企業は、銀行がリスクを嫌って貸したがらない。金利低下で収益力が下がるとなればなおさらです。貸し先がなくてお金がだぶつき、循環しなければ景気が刺激されるわけもない」
ただでさえ昨年12月の消費支出は4.4%マイナスと、4カ月連続でダウンだ。消費は凍りついている。
「マイナス金利が景気を下押しする。そう見る市場関係者は少なくありません。さらに消費が冷え込み、経営者のマインドも冷え込む。円安・株高で春闘の賃上げムードを盛り上げたいという日銀の狙いは分かりますが、それどころではなくなるでしょう。今年の春闘相場は昨年よりやや後退しているうえに、マイナス金利で預金金利はますますゼロに近づく。銀行に100万円預けても利息は200円も付かなくなる。カツカツの年金暮らしの高齢者を直撃です。それなのに物価だけはジワジワと上昇庶民に待っているのは地獄ですよ」
そこに“円安”が追い打ちをかける。過去の円安局面で小麦や大豆が値上がり、食料品が高騰したことは経験済みだ。静岡大の土居英二名誉教授の試算によると、1ドル=130円になると、安倍政権がスタートした12年に比べ、約21万円の負担増になるという(2人以上世帯で年収600万円のケース)。
それでなくても、昨年11月の毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年同月比で0.4%減、5カ月ぶりにマイナスに転じた。家計は完全にクラッシュだ。
「金利がさらに下がれば高齢者を狙い撃ちにした高利をうたった投資詐欺がますます横行する」(警察庁関係者)なんて指摘もある。
「黒田日銀の異次元緩和政策は失敗だったと認めるところからやり直すべきでしょう」
日刊ゲンダイ
マイナス金利で日銀に預けている銀行は、手数料を支払わなければならない。銀行としてみれば金額が巨額になれば、それだけ預けているお金に手数料を支払うことになる。銀行も貸し出したいが、大企業は内部留保が贅沢にあり、銀行から借りなくても自前のお金でやり繰りが出来る。
中・小企業へはリスクがあるため貸し出しを渋る。庶民の銀行への預金していてもまともに預金金利もつかない状態である。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年1月31日日曜日
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