2018年2月13日火曜日

弾道ミサイル迎撃「イージス・アショア」日本配備へ

日本への配備が閣議決定された、弾道ミサイルを迎撃できる地上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の製造メーカーである米ロッキード・マーティン社のブラッド・ヒックス担当副社長がこのほど産経新聞の単独インタビューに応じ、イージス・アショアの防衛能力や将来像について語った。また専門家などから指摘される導入スケジュールや周辺のセキュリティ確保などの課題についても説明した。
 
《イージス・アショアは陸上施設にイージス艦の能力を設置したもの。イージス艦は戦闘機や攻撃機など100個以上の目標を同時に捕捉、搭載するSM2ミサイルで迎撃できる。また高性能なレーダーをいかし、SM3ミサイルを用いれば北朝鮮の弾道ミサイルも迎撃可能とされる》

イージス・アショアは現在ルーマニアで運用されており、間もなくポーランドのレジコボにも完成すると聞いています。

「イージス・アショアのヨーロッパでの展開は、スケジュールが非常に厳しかった。そこで、できるだけ事前にリスクに対応できるように備えました。特にイージス艦での経験を活用しながら、イージス艦のシステムからの変更個所をできるだけ少なくしようと考えました。また、リスクやスケジュールの問題を解決するために試験施設をハワイに作りました」

設置にあたってさまざまな問題点があったかと思いますが、どう解決したのか。

「ハワイでのテストはスケジュール通りに問題なくこなすことができました。いくつか反省点はあるが、それは細かいレベルのもので、大きな問題ではなかった。ただルーマニアの設置現場はハワイの試験施設よりも面積が広く、ランチャー(ミサイル発射装置)の数も多く、少し複雑になっています。現場での課題は、ルーマニアではもともとワルシャワ条約機構軍(冷戦期にソ連を中心に東欧諸国で結成した軍事同盟)の空軍基地であったところを米軍の基地に作り替えることになった。このため隊員の宿舎の問題やセキュリティーの問題、水道や電力といったインフラの整備が少し手間だったというところがあります。これはポーランドでも同じで、現地のインフラ整備が課題でした」

《注・電圧や水圧、その規格の違いはこうした施設にとって重要な問題。身近な例では日本国内でも東日本と西日本での電源周波数(50ヘルツと60ヘルツ)の違いなどがある》

イージス本体についてはどうでしょう

「レーダーやミサイル発射装置の設計については当初から全く変更をしていないので、そこは問題はない」

日本に設置するにあたっての課題は
 
「日本の建設会社や関連団体は(設計の)詳細部分までこだわって対応していただける質の高さがある。防衛省や日本の産業界と協力することによって、インフラの部分は問題にならないと考えています」

なぜ米本土や日本よりも先に東欧でイージス・アショアが配備されているのかが、日本ではあまり知られていません。また欧州のイージス・アショアを中心とした欧州ミサイル防衛構想(EPAA)と、日本が進めるミサイル防衛との相違点はどういったものでしょう

「まず類似点としては、双方ともBMD(弾道ミサイル防衛)能力を持っていることだと思います。ただ、日本の(予定している)システムについては、空の防衛、つまり(爆撃機などに対する)防空能力を持っているという点が違います。日本は対空とミサイル防衛の統合型のシステムとなっている。

一方、欧州のEPAAは、元々は欧州方面でイランの(核・ミサイル開発の)脅威に対応するために作られた計画になっています。運用においてもアメリカの基地においてアメリカの軍人がシステムを管理する仕組みで、ホスト国(基地の配備国)は基地周辺のセキュリティーを担当する形となっている。もちろんシステム自体は北大西洋条約機構(NATO)と連接しています」

「一方、日本の(イージス・アショアの)システムは、日本の領域、領土のなかで陸上自衛隊が運営する防衛システムとなります。米軍が管理するものではなく、日本の国家のシステムとして運営されるところが大きな違いかと思います」産経ニュースより

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