2017年1月2日月曜日

北極 資源開発の行方

地球温暖化で北極圏の氷が解け始め、周辺国が次々と資源開発に乗り出している。
 
ロシアは帝政時代から北極圏とそこに眠る資源に目をつけてきた。ピョートル大帝がシベリア沿岸の地図作製を命じたことがきっかけで、1730年代と40年代に「大北方探検」が行われた。プーチン大統領もその伝統を受け継ぎ、北極圏の開拓はロシアの使命だと言わんばかりに、北極海の100万平方キロに対して領有を主張している。自国の天然ガスの推定埋蔵量の9割、石油の6割が北極圏とその近辺にあるため、ロシアはほかに選択肢がほとんどないのだと、同国の石油・天然ガスの専門家は言う。

ロシアの今の苦境は、ごく単純なことです」と、モスクワの国家エネルギー安全保障基金のコンスタンチン・シモノフ代表は言う。「1960年代に発見されたガス田で、世界の天然ガス市場を牛耳ってきたロシアですが、そうしたソ連時代の巨大ガス田は生産量が落ちています。であれば、さらに北へ向かうのが合理的です」

ロシアは北極圏の油田開発にさらに期待をかけているが、そうした油田の近くにはパイプラインがない。ペチョラ海のロシア沖にあるプリラズロムノエは北極圏初の海上石油プラットフォームだが、ここで採掘された約500万バレルの原油は、タンカーに積まれ、時にはさらにほかの船舶に移される。こうした方法では原油流出のリスクが大幅に高まる。ロシア企業がこれまでに永久凍土帯へ流出させた原油は、350万バレル以上にのぼると、地元の複数の環境保護団体が告発している。  ナショジオより

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