一方、スプートニクに記事を寄稿するドミトリー ・ヴェルホトゥロフ氏は、報道は一片の真実を含むと指摘した。
自衛隊は確かに空母を持っていないが、 ヘリ搭載型護衛艦「ひゅうが」(2009年就役)「いせ」(2011年就役)がある。さらにより最新鋭の「いずも」(2015年就役)と「かが」(2017年就役)も配備されている。「いずも」と「かが」は共に全長248メートル、幅38メートル、最大排水量2万7000トンで、第2次世界大戦以来、海上自衛隊史上最大の艦船となる。
現在、どの護衛艦も米国のステルス機F35Bを搭載できない。だが日本の諸報道によると、垂直着陸の際のエンジンの熱に耐えるため甲板を耐熱性の塗装で塗り替え、短距離離陸のためジャンプ台を設置するなどの改修を行うことで、「いずも」は10機超のF35Bを搭載可能となる。
F35Bは元々、2014年に米海軍に就役したアメリカ級強襲揚陸艦のために開発された。同艦と「いずも」の甲板のサイズは酷似しており、全長257メートル、幅32メートルとなっている。双方とも艦載機用エレベーターが設置されている。甲板のサイズが類似しており、艦載機用エレベーターを持つ「いずも」と「かが」はF35Bの搭載艦となるポテンシャルを持つ。
一方、「いずも」と「かが」は改修なしでさえ、このタイプの飛行機のための簡易飛行場として機能可能だ。簡易飛行場とは、一時的な着陸、戦闘状態での燃料・弾薬の補給のための飛行場で、機体の行動範囲を拡大することを可能にする。
「いずも」や「かが」はさらに、陸上の基地から発進したF35Bの行動半径を大きく拡大することができる。護衛艦は基地から、F35Bの最大航続距離である1670キロ以内の海上を航行できる。燃料補給後、F35Bは艦体からさらに865キロ飛行可能。つまり、F35Bは2500キロ超の距離を航行可能となる。茨城県にある百里基地からF35Bは台湾やフィリピン北岸に到達できるようになる。
日本は今のところF35Bを配備していない。日本は陸上離着陸型F-35Aのみを購入している。しかし米海兵隊岩国航空基地には現在、垂直離着陸が可能なF35Bが16機配備されている。また「いずも」と「かが」は、北朝鮮に対する軍事作戦の際などに、F35Bにとっての一種の「予備空母」として機能できる。朝鮮半島付近の海域で米空母が不足していると判明した場合、「いずも」や「かが」が用いられる可能性もある。
護衛艦の改修について防衛省で「具体的な検討」がないことは、同プロジェクトが2018年度予算案の防衛関係費に含まれていないことで説明される。しかし2019年度に日本が防衛力を強化する決定を取った場合、自衛隊の装備には第5世代戦闘爆撃機F35Bが現れ、日本のヘリ搭載護衛艦は非常に短い期間で空母に変わる可能性がある。その場合、中国をはじめとする日本の隣国は全く喜ばないだろう。
「The Japan Times」紙が報じるように、尖閣諸島から150キロに位置する日本最西端の島、与那国島にF35Bが配備されれば、日中関係が悪化する可能性は除かれない。とはいえ、中国自体は2隻の空母を保有している。
現在、空母を保有しているのは次の10カ国。アメリカ、ロシア、フランス、中国、イギリス、インド、スペイン、ブラジル、イタリア、タイ。スプートニク日本より
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