12人が死傷した草津白根山の本(もと)白根山(群馬県草津町、2171メートル)の噴火で、近くのスキー場の山頂付近にスキー客ら81人が取り残された。だが、従業員の冷静かつ迅速な避難誘導が功を奏し、緊迫した状況の中でも混乱はなく全員がその日のうちに救出され、けが人も軽傷者2人のみだった。最小限の被害で済んだ背景には、噴火を想定した訓練の積み重ねで養われた、従業員の的確な判断力があった。
23日午前10時過ぎ。草津国際スキー場のロープウエー山頂駅近くにあるレストランの従業員、萩原りつ子さん(62)は、同僚と客と談笑していた。窓越しに、天に向かって伸びる「灰色の筒のようなもの」が3本見えた。ほぼ同時に、「ズドーン」というごう音とともに20~30センチほどの噴石が天井を突き抜けて落ちてきた。レストランは、噴火した火口から500メートルほどしか離れていなかった。
「これ、噴火だ!」
厨房(ちゅうぼう)のガスをすぐに止めた。次々に逃げ込んで来たスキー客には、窓際に近づかないよう呼びかけながら備え付けのヘルメットを渡し、地下のトイレと約8畳の宿直室へ誘導した。一番安全な場所だと考えたからだ。
噴石で送電線が切断され停電したため、地下は真っ暗で暖房も止まった。「大丈夫ですか」「寒くないですか」。落ち着かせようと、約70人の客に声をかけながら売店のお菓子とジュースを配った。
噴火が収まった昼過ぎからはレストランで救助を待った。午後3時ごろから自衛隊や消防による救出活動が始まり、約3時間半後に全員が下山した。萩原さんは「逃げることもできないので、どうやって安全を確保するか考えた。冷静に対応できた」と振り返った。
草津町は、本白根山の北側にある白根山(2160メートル)の噴火を想定した避難訓練を毎年実施していた。スキー場を運営する草津観光公社の山本進一会長(69)は「『何かあったら客を安全なところに避難させないといけない』という意識があったのだと思う。今回を教訓に、より良い避難誘導の方法をさらに検証したい」と話した。
infoseek newsより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年1月28日日曜日
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