2018年1月27日土曜日

米国の通商圧力、ドル安カードまで出すのか

米国発の通商圧力が強まっている。スイス・ダボスでの世界経済フォーラム(WEF)に出席したムニューチン米財務長官は一昨日、「ドル安は貿易と機会の側面で確実に米国には良い」と述べた。この発言が伝えられると、国際金融市場はすぐに反応した。ニューヨーク外国為替市場で主要6通貨に対するドルインデックスは1%下落した89.21となった。1年前に100ほどだったこのインデックスが90を割ったのは2014年12月以来だ。波紋が広がると、トランプ大統領はすぐに鎮火に乗り出した。「ドルは徐々に値上がりするはずで、最終的には強いドルを望む」と述べながらだ。これを受け、ドルインデックスの急落は止まり、少しずつ上向いた。

しかしムニューチン長官の発言とトランプ大統領の発言をそのまま信じてはいけないようだ。米財務長官という地位の重みを考えると、ドル安カードは米国の保護貿易政策を直接的に後押しできるからだ。中国をはじめ主要国との貿易で莫大な赤字に苦しんでいる米国としては、関税障壁に続いてドル安を誘導すれば、米製造業全般にわたり価格競争力を強化できる。

そうであるほど韓国経済は厳しくなる。トランプ大統領はすでに緊急輸入制限措置を発動し、サムスン・LGの洗濯機に最高50%、太陽光パネルに最高30%の関税を賦課することにした。ムニューチン長官の発言は米国が関税に続いて「為替レート障壁」まで高めようとする誘惑に駆られていることを見せている。伝統的に強いドル政策を追求してきた米国は貿易赤字が深刻になると、1985年にプラザ合意を通じてドルを切り下げた。これを考えると米国のドル安誘惑は続く可能性が高い。韓国政府は現在進行中の自由貿易協定(FTA)再交渉をはじめとする米国の通商攻勢に対抗し、韓国企業は製品およびマーケティング革新でこの波紋に備える必要がある。中央日報より

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