同チームは2012年、ヒト皮膚細胞が乳酸菌を取り込むと、細胞が万能化する研究結果を発表。今回は乳酸菌などのリボソームを使い、さらに詳しいメカニズムを解明した。
リボソームは、細胞内でタンパク質を合成する小器官。ほとんどの生物細胞内にある。
研究では、ヒト皮膚細胞の細胞膜に穴を開ける酵素処理をした後、乳酸菌由来のリボソームを振り掛けた。3週間培養すると、神経や筋肉、臓器など6種類の細胞に分化。酵母やヒト細胞由来のリボソームでも、同様の現象を確認した。
チームは乳酸菌などが細胞内に取り込まれた際に出すリボソームをきっかけに、元の細胞が多能分化すると想定。今後は臓器などの再生医療をはじめ、がん細胞の増殖をコントロールし病気を抑制するなどの治療法につなげたい考えだ。
太田准教授は「乳酸菌などのリボソームはもともと体内にあるもの。安全、安心な治療法や薬剤開発につなげたい」と話している。論文は26日、英科学誌(電子版)に掲載された。熊本日日新聞より
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