これまで米国など宇宙先進国に全面的に依存してきた衛星利用測位システム(GPS)が韓国国内の技術と資本で構築される。科学技術情報通信部は来月5日に開く予定の宇宙委員会で、韓国型衛星航法システム(KSP)の構築を含む第3次宇宙開発振興基本計画を確定する予定だ。
科学技術情報通信部によると、韓国型衛星航法システムは3年後の2021年に地上試験場の開発を始め、2022年に衛星航法核心技術の開発、2024年に衛星航法搭載技術の開発などの過程を経て2034年にサービスを開始する。KPS構築のために静止軌道衛星3機など計7機の航法衛星を打ち上げ、運用する。これを通じてソウルの半径1000キロ地域に海外航法衛星補強信号と固有信号を提供する計画だ。7機のKPSを構築するには約2兆5000億ウォン(約2550億円)の費用がかかると推定される。
衛星航法システムは「GPS」(Global Positioning System)と呼ばれる。韓国航空宇宙研究院(航宇研)によると、不便なく使用するには少なくとも4機の衛星が頭の上になければならない。また、衛星航法システムが地球全体をカバーするには少なくとも24機の衛星が必要となる。韓国はソウルの半径1000キロを圏域とする地域航法システムであるため7機が必要というのが航宇研側の説明だ。
GPSは日常生活で必須システムになって久しい。自動車のナビゲーションのほか、スマートフォンと航空機・船舶などの位置情報がすべてGPSシステムに依存している。しかし韓国は独自のGPS衛星がなく、その間、米国など宇宙先進国の衛星GPSに100%頼ってきた。
今でも米国のGPSを利用していて不便はないが、なぜ2兆5000億ウォンという予算を投入して韓国型衛星航法システムを構築するのか。最初の理由は戦争のような危機状況への対応だ。韓半島(朝鮮半島)地域を中心に戦争が発生する場合、敵軍の利用を防ぐために米国・ロシアなどGPS保有国が信号を遮断する可能性がある。
航宇研のホ・ムンソン衛星航法チーム長は「GPSが日常生活で必需品になった時代に、いかなる理由であれ信号が途切れることは全国的な混乱を意味する」と述べた。
韓国型衛星航法システムを構築すればGPSの正確度が高まるという長所もある。
2034年に7機の衛星で構成されたKPSが構築されれば、現在約10メートル前後のGPSシステムの誤差範囲が1メートル未満に減る。
このために宇宙強国は先を競ってGPS確保競争をしている。1978年に最初に始めた米国は現在27機のGPS衛星を運用し、ロシアも1982年に始めて現在24機を確保している。
中国は米国・ロシアなどが主導する衛星航法システムに対抗しようと2000年から「北斗」という名前のGPSを開発している。2015年9月に中国北京の天安門広場で中国抗日戦争勝利70周年記念軍事パレードを終えた中国当局は「人工衛星の北斗が軍事パレードの成功に決定的な役割をした」とし「北斗のおかげで装備部隊の進行速度と距離の誤差をそれぞれ0.3秒、10センチ以内に減らし、飛行編隊は1メートル・1秒以内に誤差を減らすことができた」と伝えた。
日本も昨年6月、超精密GPS衛星「みちびき」2号機を打ち上げるなど現在4機のGPS衛星を保有している。欧州連合(EU)も2002年から「ガリレオプロジェクト」としてGPS構築を始めた。航宇研のホ・チーム長は「他国の衛星に依存して生じる混乱を防ぐために先進国は先を競って衛星を打ち上げ、『GPS独立宣言』をするだろう」と説明した。中央日報より
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2018年1月30日火曜日
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