2017年1月10日火曜日

キプロス再統合大詰め

地中海の分断国家キプロスの再統合交渉が、大詰めを迎えています。スイスのジュネーブで9日から、南部のキプロス共和国(ギリシャ系)と北部の北キプロス・トルコ共和国(トルコのみ承認)の首脳会談が再開。交渉で包括合意に達し、約40年間に及ぶ分断の終結に道に開かれれば、キプロス史のページをめぐる歴史的機会(アイデ国連特使)となります。

キプロスは1974年、ギリシャ系勢力によるクーデターを機に、トルコ軍がトルコ系住民の保護を理由に侵攻し、北部を占領しました。

現在の交渉は20155月に国連の仲介の下で再開しましたキプロス共和国はアナスタシアディス大統領と北キプロスのアクンジュ大統領が首都ニコジアで会談を重ね、16年11月にはスイスで2回にわたり集中的に協議しましたが合意には至りませんでした。

最大の争点の一つが、再統合後に採用する連邦制の下、それぞれが管轄する領域の問題です。AFP通信によれば、現在約36%のトルコ系領域について、北キプロスが29.2%まで縮小すると提案したのに対し、キプロス共和国は更に小さい28.2%を主張。アナスタシアディス大統領トルコ系が必要な柔軟性を見せなかったと不満を示していました。

今回の交渉では、911日に予定される首脳会談で、双方が領域を示した地図をそれぞれ提示。続く12日は、安全保障などの観点から和平案を協議するため、ギリシャ、トルコ、英国の3カ国が加わった多国間会議がもたれます。

ただ、南北双方で行われる再統合案の是非を問う住民投票が最大の関門として残っています。04年にはアナン国連事務総長が提示した和平案が、南部の投票で否決され無効となりました。アクンジュ大統領はすべて順調にいけば、住民投票は夏に実施出来るかもしれないとの着方を示しています。

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