米国のトランプ次期政権の対中経済政策が強化しそうである。トランプ氏のブレーンにタカ派が続々集結。直ちに貿易戦争を促す過激発言も飛び出し、中国も反発を強めている。
穏当ならざる発言主は、米国でも指折りの著名投資家、カール・アイカーン氏は、12月22日、CNNテレビの取材に対し、中国との貿易戦争は不可避でやむなしとの認識を示した。
もっともアイカーン氏の担当は専門の金融分野などの規制改革であり、冒頭の発言について、私が決める話ではないがと、断っている。
とはいえ,大統領選でトランプ氏が過激発言で批判にさらされていた頃、アイカーン氏は経済界でもいち早くトランプ氏支持を公言して“援護射撃”。恩を感じたトランプ氏が一時、財務長官起用を検討したと伝えられるほど信認は厚く、「経済政策運営全般に大きな影響力をもつ」米銀関係者)と指摘されている。
アイカーン氏の中国批判は今に始まったことではない。2016年4月には、保有するアップル株のほとんどを売却したと発表したが、その理由について「中国政府がアップルの業務に干渉するのを懸念するから」とし、中国を「独裁国家だ」とこき下ろした。
アイカーン氏だけではない。トランプ氏は通商交渉戦略について大統領にアドバイスする国家通商会議(NTC)を新設し、そのトップにカリフォルニア大教授のピーター・ナバロ氏を指名した。そのナバロ氏はこれまた経済学者の中で最もトランプ氏の信頼が厚いとされる人物で、大統領選期間中からトランプ氏の通商政策を立案してきた。
とくに対中通商政策の専門家として知られ、タカ派として通っている。その舌鋒は鋭く、中国を「補助金や通貨安誘導で対米輸出を不当に膨らませている」と批判。
「不正な貿易政策という武器を使って、米国の7万カ所の工場を閉鎖に追い込んだ」とたたく。
トランプ氏は声明文で、「通商政策の顧問として重要な役割を担う」とナバロ氏に期待。さらにトランプ氏はNTCについて、経済のみならず安全保障面での助言も想定し、ナバロ氏も2011年に出版され映画にもなった「デス・バイ・チャイナ(中国による死)」で、中国のサイバーテロが米国の安保に深刻な打撃を与えていると強い警告を発した。
トランプ氏が商務長官に指名した著名投資家のウィルバー・ロス氏や、トランプ氏に近い鉄鋼大手ニューコアのダン・ディミッコ元最高経営責任者(CEO)も対中強硬派で知られる。ロイター通信は「ロス氏やディミッコ氏はこれまで対中貿易戦争の最前線に立ってきた」と指摘した。
トランプ氏自身が、大統領の就任初日に中国を為替操作国に認定すると明言。中国からの輸入品に高関税をかけ、米国の産業と雇用を守ると大統領選を通じて訴えてきた。
一方で、対中強硬姿勢を露骨にみせるトランプ政権に対し、中国も警戒モードを高めている。国家発展改革委員会の幹部が12月、ある米自動車メーカーに独占禁止法違反で近く制裁金を科すと表明。しかも中国メディアの取材に答えるという異例の形で、「米国を強く牽制する意図が明らかだ」(国際金融機関幹部)と注目を集めた。
これに対し、トランプ氏の政権移行チームも、トランプ氏が次期商務長官のロス氏と対応を協議することを明らかにし、米中間に険悪なムードが漂っている。
米中間をめぐっては、トランプ氏が12月2日、台湾の蔡英文総統と電話会談を行ったことが判明。米国の大統領や次期大統領と台湾のやりとりが公になったのは米台断交後初めてで、衝撃を受けた中国外務省はトランプ氏側に抗議。王毅外相も「米政府が長年堅持してきた『一つの中国』の政策を変えることはできない」と不快感を示した。
ただ、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、ロス氏は、中国からの輸入品に45%の高関税を課すというトランプ氏の選挙中の脅しは「交渉戦術」に過ぎず、誤解されているとの認識も示している。
しかし、ロス氏の言う通り交渉戦術だったとして、それはそれでトランプ政権が中国側を揺さぶっていると映る。FTも「トランプ氏の保護主義と大衆迎合主義は、遅かれ早かれ米中通商関係にダメージを与える」と気をもむ中国識者のコメントを紹介している。 yahooニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年1月2日月曜日
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