2016年7月24日日曜日

ドナルド・トランプ候補、大統領に就任した場合にはNATO諸国に対する相互防衛義務を放棄する

共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏は20日、New York Times紙による取材に応じて、大統領に就任した場合には、NATO諸国に対する相互防衛義務を放棄し、同盟国としての義務を果している国に対してのみ防衛するとした新しい安全保障政策を明らかにした。
 
NATO条約では、いずれの加盟国に対する攻撃も全加盟国に対する攻撃とみなし集団的自衛権を行使することが謳われているが、今回のドナルド・トランプ氏の発言内容は、このNATO条約の集団的自衛権の見直しに言及したものとなる。
 
その上で、NATO条約の集団的自衛権を放棄する理由については、「America First(自国の事柄が最優先事項になる)」ことを挙げ、財政面からNATO諸国の全ての防衛を保障する能力は現在の米国にはないとし、今後の米国の国益に関しては純粋に経済面にだけに集中させることで、同盟国に対して核の傘を提供したり、世界の国々に対して人権の重要性を啓蒙してくようなことは辞め、世界の警官としての役割からは撤退するとした。
 
今回のドナルド・トランプ発言は、NATO条約について言及したものとなるが、同様な措置は、朝鮮半島と日本に対して適用することとなる見通しともなっている。
 
NATO条約で謳われている集団的自衛権は、加盟国間の相互義務を条約化したものとなるが、欧州が攻撃を受けないで米国が直接攻撃を受けるという可能性は低く、実質的には米国が欧州に対する防衛義務を保障したものとなっていた。
 
同盟国との間の集団的自衛権の放棄を中核とするドナルド・トランプ氏の新しい外交政策と安全保障政策の詳細については共和党全国大会で21日に行われる予定の演説で正式発表となる予定。
 
ドナルド・トランプ氏は、米国が他国に対して防衛を提供する際の具体的な条件については明らかにはしなかったものの、彼は米国が経済的な利益を得ているかで決めるとも述べており、米国が他国に対して防衛を提供する場合には、その費用に見合う分の貿易黒字を上げているかどうかが尺度となることになりそうだ。
 
米国の貿易赤字は、中国、日本、ドイツ、メキシコ、韓国、アイルランド、ベトナム、イタリア、インド、マレーシア、タイ、フランス、台湾、スイス、インドネシアの順で多くなっており(Source: census.gov)、対同盟国との関係軸で考えた場合、日本、ドイツ、韓国などが安全保障政策変更の主要なターゲットとなることとなる。ビジネスニューラインより
 
ドナルド・トランプ氏は政治家と言うよりも、商売人という感じですね。アメリカがそのものが、衰退している事の表れかもしれません。アメリカが手を引けば、ロシア、中国が世界覇権を狙いに来ルはずであり、特に中国は世界覇権を目指してくるに違いない。

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