国際司法機関の常設仲裁裁判所(オランド・ハーグ)は12日、中国が南シナ海の大部分を管轄権と主張する「九段線」について、国連海洋法条約に基づき法的根拠がないと判決を出しました。南シナ海問題で拘束力を持つ国際司法判断が示されたのは初めて。裁判はフィリピンが提訴していました。
判決は「九段線内の海域で資源に対する歴史的権利を持つという中国の主張は、いかなる法的根拠もない」と認定、仲裁裁判開始後の中国の行動が、南シナ海での紛争を悪化させたと指摘しました。
また判決は、南沙諸島を構成する岩礁は全て人の住む自然環境のない岩や低潮高地であり、漁業や天然資源開発の権利を持つ排他的経済水域(EEZ)を生まないと判断。中国の人工島造成のの一部はフィリピンのEEZに対する主権を侵害する行為だと認定しました。
埋め立てによる人工島造成は環境に回復不能の損傷を与えたと指摘しました。
中国外務省は、判決は無効であり拘束力はない。中国は受け入れないし、承認しないとする声明を発表。フィリピンのヤサイ外相は記者会見で、全ての関係国は冷静さと姿勢を発揮すべきだ。フィリピンはこの画期的な判決を尊重すると語りました。
南シナ海は、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイが領有権を主張する海域は重なり合います。とりわけ中国は近年、実効支配する岩礁や暗礁の埋め立てや人工島の造成を加速化させています。
中国の孔外務副次官は11日、モンゴルの首都ウランバートルで15、16日開かれるアジア欧州会議(ASEM)首脳会議について「南シナ海問題を討論する計画はない」と記者団に語り、ASEMの議題とすべきではないと主張しました。
孔氏はASEMは南シナ海と直接関係がなく、議論するのにふさわしい場ではないと述べました。日本から参加する安倍首相や中国の領有権を争うベトナムなどは南シナ海問題を提起する見通し。孔氏の発言は、会議に先立ち立場が異なる各国を牽制したものです。
今回のASEMは、フィリピンが中国を相手に提起した南シナ海問題をめぐる仲裁裁判所の判決が12日に出た後、両国首脳らが出席し初めて開かれる国際会議。中国は李克強首相、フィリピンはヤサイ外相が出席します。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年7月15日金曜日
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