ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年7月8日金曜日
先のない中国農業 農村社会の復活に打つ手はあるのか
「70後不願種地、80後不会種地、90後不提種地(70年代生まれは畑仕事を嫌がり、80年代生まれは畑仕事ができず、90年代生まれは畑仕事の話題に触れない)」。これは中国で流行っている、働く世代の農業離れを表した句だ。現在、中国の農業を支えているのは老人と中年女性で、若い世代は都市部で働いている。中国の農業の将来性が危ぶまれている。
「農業で生計を立てるなんて、期待していない」
人民日報ネット版は5月29日、河南省、山東省の農村地域を対象にした実態調査の結果、55歳以下の住民はほぼ農業に従事しておらず、興味もなく、そもそも農業に関するノウハウを持っていないことが明らかになった。
河南省寨鄉平陵村の農業従事者、張文明さん一家は5人家族だが、息子と嫁は張さんのところに子供を預け、2人とも都会へ出稼ぎに出ているため、約2/3ヘクタール(6667平米)もの面積を張さん一人で作付けしている。一家は息子夫婦の約6000元(約93000円)の月収で楽に生活できるから、
「農業で生計を立てるなんて期待していない。単なる小遣い稼ぎだと思っている」という。
74歳の李成さんは、昨年手術を受けたことをきっかけに、農業を止めて田畑を息子の李文献さんに譲り渡した。その理由を「自分から農業をやりたいと言い出したわけではないが、息子は体が弱く出稼ぎに出られないため、家で畑でもやるしかない」と語る。
平陵村の人口は550人で、農地の合計は約327ヘクタール。村長の話では、55歳以下の村民が畑仕事をすることはほとんどなく、畑を維持しているのはほとんど老人と中年女性だけ」と、村の厳しい農業事情を説明する。
河南省平野部の農村地帯はまだましな方だと言わざるを得ない。例えば山西省の山間地域はさらに深刻で、棚田を耕す農民はほとんどおらず、多くの畑がうち捨てられ、荒れるがままに放置されている。
うまくいっていた農業経営が行き詰まったことをきっかけに、農家の意欲がそがれる場合もある。延津県僧固郷沙庄村の大型穀物栽培農家・郭衛峰さんは、中国政府が奨励した穀物の大規模栽培に取り組んだ。他の農家3軒と共同して農地の租借制度を利用し、2014年までに耕作委託農地を40ヘクタールにまで広げた。数十万元を投じて農機具も購入したが、3年目に穀物価格が大暴落し、9万元の損失を出す結果となった。郭さんはこの痛手に、新たに農地を借りる気が失せたという。
改革開放が中国の農村構造を叩き潰した
「中国の農業は改革開放でズタズタにされた」というブログ記事では、農業従事者が労働に見合った利益を得ていないことが、物価の面から説明されている。
それによると、中国の多くの物の値段は80年代基準で100倍以上に上昇したが、主食である穀物価格はほんの数倍しか値上がりしていない。例えば、80年代のトウモロコシの市場価格は1キロ0.7元で、今の価格は約3倍の2元強。「もはや穀物の価値はゼロに等しい」とブロガーは嘆く。それでも農家が畑を耕し続けるのは、他に選択肢がないからだという。
赤字が明白な穀物栽培では、銀行から融資を受けるのは至難の業。農家の協同組合の多くが経営難に陥り、組織自体が有名無実で、ほぼ解散状態になっている場合もあるという。
あるネットユーザーは、「現在、農業に従事している50歳以上の農業人口がゼロになってしまったら、農業技術を身につけた中国人は皆無となる。誰も畑を耕さず、後継者もいない。14億の中国人が、外国から食べさせてもらうしかなくなってしまう」と中国の将来に警鐘を鳴らしている。
大紀元日本より
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