2016年7月17日日曜日

「天災ではなく人災だ」予告なしのダム放水で死傷者=福建省閩清県

7月9日、極めて勢力の強い大型の台風1号が中国福建省に上陸し、暴風雨による洪水を引き起こした。最も甚大な被害を受けたのは閩清県坂東鎮で、死傷者の数は未だ不明。だが地元政府は死亡者10人、行方不明者11人と、虚偽の発表を行ったため、住民らの怒りをあおっている。

実際の死者は数百人か

12日、米国営放送ボイス・オブ・アメリカが閩清県の住民に対し取材を行ったところ、ある住民は知り合いの中だけでも、分かっているだけで10人以上が死亡したと語っている。政府当局は死亡者の遺体を発見次第、火葬場に送っており、実際の死傷者は数百人に上ると見られている。

別の被災者によると、坂東鎮では橋げたや樹木の枝など、あちこちに洪水で流された人の遺体が架かっているが、地元政府の発表した死亡者数は明らかにおかしいという。

7月9日、大型の台風1号が中国福建省に上陸し、暴風雨による洪水を引き起こした。最も甚大な被害を受けたのは福建省閩清県坂東鎮(ネット写真)
(閩清県周辺を空撮した映像を公開した新浪微博)

あるネットユーザーは「私の彼は今、災害ボランティアに出ている。実際の死亡者数は数百人どころではなく、彼によると、この2日間、火葬場には大型トラックに乗せられた相当数の遺体が、ひっきりなしに運び込まれている。閩清池園鎮の住民である火葬場職員が彼にこっそりと、この2日間で700~800人の身元不明の遺体を焼いたと教えてくれた。運び込まれた遺体は、死亡者ではなく全て行方不明者として処理されており、遺体の身元確認作業に入ることは許されていない。とにかく休むことなく焼き続けている」と現地の様子を明らかにした。

急激な増水はダム放水か 大量の水が突然押し寄せる

陳と名乗る人物は、当局はダム放水を隠していると疑っている。なぜなら、豪雨による水かさならじわじわと上昇するものだが、今回はドッと急に流れてきたためだ。今回の災害は「天災と人災のどちらなのか」と、陳氏は訝しげだ。

7月9日、大型の台風1号が中国福建省に上陸し、暴風雨による洪水を引き起こした。最も甚大な被害を受けたのは福建省閩清県坂東鎮(ネット写真)
7月9日には早くも、あるネットユーザーがミニブログ微博(ウェイボー)に、閩清のダムから放水の可能性があると投稿し、付近住民に対し、高所へ避難するよう呼びかけた。中新網も同様に報道した。

しかし、当局は今回の放水計画を隠匿して何の警報も出さず、洪水対策の準備も呼びかけなかったため、閩清の住民は何も知らず避難行動を取らなかった。洪水が迫ってきたとき、たった一時間で水位が建物の一階まで上昇し、多くの人が逃げ遅れた。

地元住民の蔡さんは、2階から洪水が迫ってくるのを見て、「世界の終わりが来た」と思ったという。押し寄せた洪水が路上や建物の一階にいた人たちを飲み込み、車や家屋も押し流してしまった。

ある被災者は、今回の災害が人災だということを閩清の人全員が知っていると、当局に対する怒りをあらわにした。

坂東鎮は今全面封鎖されて、一般市民が町の外に出られないし、救助隊の人も町に入る前に携帯を没収されてしまうという。大紀元日本より

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