参院選で改憲勢力が議席の3分の2以上を占め、確かに、憲法改正発議の条件は整った。だが、同時に9条の改正は避けるべきだとの主張が政権与党からも護憲勢力からもなされている。
自民党の高村正彦副総裁は選挙期間中の5日、「憲法9条が改正される可能性はゼロだ」といい、公明党の山口那津男代表も10日、「当面、憲法9条の改正の必要はないと思っている」と発言している。
いずれも昨年制定した安全保障関連法制によって、わが国の安全保障は改善されたので9条改正は不要というものだ。
他方、哲学者の柄谷行人(からたに・こうじん)氏は、朝日新聞の「憲法を考える」のインタビューで、「むしろ、9条こそが日本の『文化』であるといえます」とし、これは日本人の無意識の問題であって「状況の変化によって変わることはないし、宣伝や教育その他の意識的な操作によって変えることもできません」と述べている(6月14日付)。
わが国を取り巻く安全保障環境の激変を顧慮しない、根拠希薄な楽観論と言わなければならない。
中国外務省の陸慷報道官は11日、日本の参院選の結果を受けて「日本が歴史の教訓を適切にくみ取り、アジアと国際社会の安全への懸念を重視することを希望する」と、9条改正の動きを牽制している。南シナ海や東シナ海で、自らが「アジアと国際社会の安全への懸念」となっているのに、日本批判を展開する厚顔さはさすがだが、9条改正が中国の軍事戦略に対する防波堤となることが読み取れる。
米国の外交専門誌『フォーリン・ポリシー』今年1月発売号で、ランド研究所の上席研究員、デヴィッド・シラパク氏が、沖縄県・尖閣諸島周辺での偶発的な日中衝突が大規模な軍事行動に発展するケースを想定してシミュレーションを発表している(『SAPIO』8月号、毒島刀也論文参照)。
日本政府は米軍に支援を要請するが、米軍が拒否し、尖閣は5日間で中国に奪われるというものだ。シラパク氏は、米国にとって「尖閣諸島における最善の危機管理の手段は(米国が)“無視”することだ」と結論付けている。
言うまでもないが、これは在日米軍の存在を前提とした上での結論だ。今秋の米大統領選挙の結果によっては在日米軍の規模縮小や撤退の可能性もゼロではない。
集団的自衛権の限定行使を可能にした安保関連法はあくまで日米同盟が堅固で、在日米軍が機能することを前提としている。その前提が崩れることを想像できない憲法論は現実的でなく、結果として中国を利するものとなる。夕刊フジより
アメリカは自国の利益が得られない、戦争はしない国だと言う事である。同盟国と日本はアメリカを持ち上げているが、いざとなれば、アメリカは日本を見捨てるだろう。日本もアメリカの国債を売ってそのお金で、防衛費を充実するだけの覚悟が必要ではないでしょうか。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年7月15日金曜日
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