マレーシアの首都クアラルンプールと隣国シンガポールを結ぶ高速鉄道計画の受注に日本が全力を挙げている。インドネシアの高速鉄道の受注争いではライバルの中国に競り負けた日本。東南アジアでの連敗回避に向け、官民一体の総力戦が求められるが、中国は現代版シルクロード構想「一帯一路」の一環として攻勢を強め、資金力を武器に受注争いを有利に進めている。
クアラルンプールで29日、日本政府などの主催で「新幹線シンポジウム」が開かれた。マレーシア政府の担当大臣など約600人を前に、国土交通省の山本順三副大臣は「開業以来、乗客の死亡事故はゼロだ」と安全性を強調。JR東日本幹部も好調な「駅ナカ」事業など、日本のノウハウをアピールした。
日本側がこのタイミングで売り込み攻勢をかけたのは、マレーシアとシンガポール両国が今年半ばにも高速鉄道計画に関する覚書を交わすとみられるからだ。その際、来年前半にも実施が見込まれる国際競争入札の条件などが示される。
2013年に両国が合意した計画は、現行鉄道で6時間以上かかる総延長約350キロを90分で結ぶ。マレーシア側の建設費試算は150億ドル(約1兆6千億円)で、22年以降の開通を目指す。路線の大半が自国内にあるマレーシアが決定権を握るとみられる。
そんな中、中国国有鉄道建設大手の中国中鉄は先月21日、高速鉄道の発着駅が建設されるクアラルンプール中心部の都市開発事業地に、アジア全域での鉄道インフラ事業の計画・立案を行う拠点を20億ドルを投じて立ち上げると発表。駅建設事業の受注に向け、早くも動きを具体化させた。
中国側は、マレーシアの国内政治も念頭に置いているようだ。この都市開発事業は、多額の債務やナジブ首相の資金流用疑惑が問題化される政府系投資開発会社の案件。ナジブ氏は他の問題でも中国から資金支援で難局を乗り切りつつあるとされ、「高速鉄道入札で中国に有利な判断を下す」(地元メディア)とささやかれている。
ただ、中国による東南アジアでの鉄道整備計画には、ほころびも目立つ。タイは先月、中国との協力で合意した高速鉄道建設計画について、全長873キロを約250キロに短縮すると発表した。中国側の条件要求が過大で、見込んでいた有利な融資も断られたためとされる。
インドネシアの高速鉄道計画も、ほぼ全線でまだ建設許可が出ていない。インドネシア空軍は27日、基地周辺の所有地で無許可に掘削作業をしていたとして中国人5人を逮捕したと発表した。作業が行われていたのは中国案で駅の建設予定地となっている場所だが、軍は土地の提供を拒絶しており、計画のずさんさが浮き彫りとなっている。産経ニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年7月24日日曜日
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