2017年2月28日火曜日

北朝鮮の国家システムに異常事態 正男氏暗殺で判明、稚拙化した精鋭工作員たち

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮が、体制崩壊の危機に直面している。異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏暗殺事件で、国家ぐるみの犯行を裏付ける事実が次々と明らかになっているのだ。大使館員や工作員は同国が誇る精鋭のはずだが、どうしてここまで稚拙なのか。正恩氏の周辺警備にも不備の可能性が指摘されている。

「どうも、国家システムがおかしくなっているようだ」

北朝鮮情勢に精通する東京基督教大学の西岡力教授は、こう語った。

注目の解説は後述するとして、北朝鮮の工作機関、偵察総局が主導したとみられる今回の事件は、過去に同国工作員が実行したテロに比べると、ずさんさが際立っている。

発生4日後(17日)に北朝鮮国籍の男が逮捕されると、19日にはマレーシア警察が北朝鮮国籍の容疑者4人の氏名を公表した。4人の姿は、現場のクアラルンプール国際空港の監視カメラにしっかり映っていた。

さらに、マレーシア警察から事件に関与したとして、北朝鮮大使館の2等書記官まで出頭要請された。北朝鮮による国家犯罪である疑いは日に日に濃くなっている。

過去のテロ事件では、北朝鮮の犯行と分からないよう、工作員らは巧妙に偽装していた。

例えば、大韓航空機爆破事件(1987年)の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員は日本人名義の偽造旅券を所持し、日本人になりすましていた。逮捕の危機が迫ると、金元工作員が毒物で自殺を図ったことからも、祖国に害を及ばさないよう、覚悟していたことがうかがえる。

今回の工作員の行動を見ると、まさに隔世の感がある。

前出の西岡氏は「北朝鮮は『テロ国家』だが、今までテロは緻密に準備されていた」と指摘し、続けた。

「これだけ国家がおかしくなると、何が起きるか分からない。例えば、正恩氏の警備が緩んでいるのかもしれない。表面的には厳重な警備をしているが、(恐怖政治による面従腹背で、将来に希望もなく)それぞれの人間はやる気がない。警備している中に正恩氏に恨みのある人間が入っていて、突発的な暗殺が起きる可能性もある」

散々、幹部らを粛清してきた正恩氏に危機が迫っているようだ。 夕刊フジより

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