最高裁は判決で、元患者に対する堕胎・断種手術について、妊娠・出産を事実上禁止するものだと非難。家庭団らんを成し幸福を追求する権利、人間としての尊厳と価値、人権および自己決定権、内密な私生活の秘密などを侵害または制限する行為だと指摘。
その上で、例え元患者らが同意したとしても、それは社会的偏見、差別、劣悪な社会・教育・経済的条件などにより、やむを得ず同意したとみられる。国が賠償責任を負うことが正しいと指摘。中絶手術を受けた9人に4000万ウォン、断種手術を受けた10人に3000万ウォンの支払いを命じました。
ハンセン病はライ菌による感染症。感染力と発症力が弱く、感染しても大半が発病することなく自然治癒します。日本政府は1900年代から初めから、患者の隔離政策を開始し、植民地だった朝鮮、台湾でも徹底しました。
韓国では、植民地から解放された45年以降も隔離政策が継続され、63年に廃止されますが、偏見などから90年代前半まで、断種・堕胎が行われていました。
日本では96年、隔離政策の根拠とされた、ライ病予防法を廃止、2001年にはハンセン病補償法を制定。同政策により療養施設への入所を余儀なくされた患者・元患者に対し、国が謝罪し、補償金を支払うことを定めました。
韓国で補償の動きが本格的に始まったのが2003年、日本の弁護士が韓国の元患者を訪ね、ハンセン病補償法に基づく請求をするように呼びかけたのが始まりです。
日本政府は韓国、台湾の元患者は対象外だとして、請求を却下。元患者は処分取り消しを求めて東京で、行政訴訟を起こしました。政府は06年に法改正し1人800万円の補償を受け取ることができるようになりました。
今回の判決について、パク・ヨンニプ弁護団長は、遅くなったといえ、司法が、日本植民地時代解放後の痛みを経験した元患者の涙をぬぐってくれてよかったと語ると共に、立法府の一括賠償する内容の法改正を行うべきだ。国が責任を果たさなければならないと語りました。
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