2017年2月19日日曜日

韓国に過去最悪の就職氷河期到来、「日本との比較で一層悲惨」と韓国紙

2017年2月18日、韓国の若者が過去最悪の「就職氷河期」に直面している。企業の多くが内外の不透明感から大卒者の採用規模を縮小しているためだ。「大学卒業=失業」になりかねず、韓国紙は「若者の就職では完全な売り手市場となった日本と比較すると、韓国の現状は一層悲惨に感じられる」と嘆いている。

韓国メディアによると、特に今年から19年までの3年間に4年制大学を卒業する若者は史上最悪の「就職氷河期」に直面する見通し。3年間の大学卒業者が過去最多で、それが就職市場に流入するのに対し、企業は採用枠を削減しているからだ。大企業関係者は「海外ではトランプ米大統領の就任以降、各国が為替戦争を展開する兆しが見えるほか、国内では国政介入事件で正常な企業経営ができない状況だ。こうした状況で企業は本能的に投資や採用を減らそうとする」と指摘する。

10大企業グループでも今年採用を増やすところはほとんどない。SKグループが昨年に比べ100人増の8200人を採用すると表明しているだけだ。サムスン、現代自動車、LGなど残るグループは「例年並み」と説明しており、採用規模を増やす可能性は低いとみられる。

就職情報サイトでも新規採用縮小の動きが顕著。インクルートが先月、上場企業2113社を対象に今年の採用計画を調べたところ、回答した918社の採用予定人数は前年の採用規模に比べ5.2%(2521人)減の4万5405人だった。業種別では食品・飲料を除く全ての業種で新規採用が減少する見通しであることが判明。今年の採用計画はないと答えた企業も20%に達したという。

朝鮮日報は「今月卒業を控えたソウル市の私大(4年制)史学科の学生40人余りのうち、就職が決まったのはわずか10人足らずだ。大学院進学者を除いても卒業予定者の半分以上が卒業と同時に『ニート』に陥る状況だ」」と紹介。同学科を卒業予定の女子学生の「入学したころから『就職は容易ではない』と聞かされていたが、それでも当時は先輩たちが卒業前に何とか就職に成功していた。卒業したらすぐに失業者になると思うとめまいがする」との声を伝えている。

こうした現状について、同紙は「『大学卒業=失業』の韓国、かたや日本は完全な売り手市場」との社説を掲載。「昨年最大で9.8%を記録した15−29歳の若年失業率も、今年になって史上初めて10%を突破することが確実な情勢だ」と指摘した。

その上で、昨年の日本の大学新卒者の就職率は97.3%、高卒者も97.7%に達したことに触れ、「日本もいわゆる『失われた20年』の期間中は若者の就職難に苦しんだが、現在日本では新卒者たちが就職先をえり好みするのが普通」と言及。「日本と韓国の間で就職率にここまで差が出た理由は規制緩和だ」として、政府に規制緩和の取り組みを求めている。 レコードチャイナより

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