ソウル中央地裁破産6部(裁判長チョン・ジュンヨン首席部長判事)は17日、韓進海運に対して破産を宣告した。裁判部は「韓進海運が主な営業を譲渡したことにより継続企業価値の算定が事実上不可能になり、清算価値が継続企業価値より高いと認められる」とし、2日に再生手続きの廃止を決定した。この決定後2週間以内に抗告が提起されず、この日破産を宣告したと裁判部は明らかにした。
資産売却など、破産手続きを担当する破産管財人にキム・ジンハン弁護士が選任された。破産債権は5月1日までに申告しなければならず、最初の債権者集会と債権調査は6月1日、瑞草洞(ソチョドン)のソウル中央地裁で行われる。1977年に設立され、一時は世界7位の規模だった韓進海運は、世界的な海運業不況と経営陣の誤った判断などの問題が重なり、昨年8月企業回生手続き(法定管理)に入った。
「韓国筆頭の海運会社」だっただけに、破産後も課題が多い。破産管財人は「債務者回生及び破産に関する法律」などが定めた順位によって債権者に配当しなければならないが、資産がほとんど残っていないため、未払い賃金・税金などの公益債権を除けば、多くの債権者が投資金を回収できないという。裁判所の説明を総合すると、昨年12月基準で把握された韓進海運の資産と負債はそれぞれ2兆7231億ウォン(約2700億円)、3兆5267億ウォン(約3500億円)だ。
失業問題も依然として残っている。海洋水産部の資料によると、今月15日基準で、かつて韓進海運の社員だった1469人(陸上711人、海上758人)のうち他の船会社などへの再就職に成功した人は782人(陸上427人、海上355人)に止まった。海洋水産部は「船主協会などと一緒にこれからも続けて雇用支援活動を行う計画」だと明らかにした。
しかし、政府の対応が依然として不十分という指摘が出ている。ハンギョレがこの日現在で、中小の荷主・フォワーディング会社(船会社と船会社の間の運送を担う会社)などの正確な被害額の規模や、韓進海運企業再生手続き以後に倒産した会社があるかどうかを問い合わせたが、海洋水産部は「把握していない」と答えた。
韓進海運で20年間勤務した元職員は「歴史的汚点を残した構造調整であり、政府の金融論理だけで定められた決定なのでいまだに納得し難い」とし、「最近の政府の海運競争力強化支援策が、現代商船の立て直しのための小細工になるのではないかと心配になる。多くの中小型船会社までが恩恵を受けてこそ韓国の海運は競争力を回復できる」と話した。 ハンギョレ新聞社より
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