2017年4月2日日曜日

歴史的国防予算増、米軍制服組が異論

トランプ大統領が打ち出したな歴史的な国防予算増増額のしわ寄せを受ける形で、外交や開発援助の予算が削られる事について、現役の米軍高官が相次いで懸念を表明しました。トランプ氏が掲げる過激派組織IS撲滅に向け、力強いバックアップを得るはずの現場の軍人が軍事力だけでは駄目だと異を唱えています。

トランプ政権は先に議会に提出した10月からの次期会計年度予算案を前年比10%増額する一方、国務省や米国開発局(USAID)の予算を28.7%削減。ソフトパワー(援助)からハードパワー(軍事力)重心を移す姿勢を明示しました。

これに対して、米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は上院の公聴会で、IS打倒に不可欠な外国人戦闘員の流入阻止や資金源の遮断などは、国防総省以外が担っていると説明。任務達成には、外交、経済、軍事、情報という、我が国の有する能力を余すところなく使うのが大切だと強調しました。

シリアやイラクなどIS活動地域を担当する中央軍のポテル司令官も別の上院公聴会で、問題解決にはハードパワーとソフトパワーの組み合わせが必要だと証言。スカパロティ欧州軍司令官はより率直に、外交予算が削られると仕事が難しくなると言い切りました。

アフリカ軍のワイルドハウザー司令官は今日の午後にでもIS(イスラム過激派)ボコ・ハラムを皆殺しにできるが、仮にそうしても週末までにメンバーが補充されるだろうと指摘。貧しい若者が過激派に引き寄せられるのを防ぐには、彼らに未来を与えるため、教育、医療、生計手段につながる道を見つけなければならないと、非軍事分野での取り組みの重要性を訴えました。

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