中国側の出席は特に重要で、「もし中国まで見放されたら、もうおしまいだ」とまで言われている。しかし今年のパレードに中国側の出席者はおらず、北朝鮮人は嘆いていた。
さらに、中国軍による中国境封鎖で密貿易の量が激減し、国内の生活が一段と厳しさを増すのではないかとの声もあるという。4月20日、韓国メディア「Daily NK」は朝鮮両江道(中朝国境付近)の消息筋の情報を引用して報道した。
中国訪問団の姿なし 北朝鮮の軍事パレード
4月15日、平壌で金日成生誕105周年記念の軍事パレードが行われた。新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)と思われる装備まで登場したパレードだが、観覧席には外国訪問団の姿はなかった。例年顔を出している中国の訪問団がいなかったことは北朝鮮市民にショックを与えた。
消息筋によると、中国側が中朝間の密輸商に、前例のないほど厳しく取り締まっているため、貿易はますます不自由になり、中国との通信も困難になっている。「中国がパレードに訪問団を送らなかったことは中朝関係悪化の証拠だ。中朝国境の取り締まりは強化されるばかり。中国が密貿易の取り締まりを続ければ生活できなくなる」と地元住民の不安は募る。
制裁強化で失速する北朝鮮経済 中国いよいよ本気か
他の消息筋によると、中朝国境の警備が厳重になったため、朝鮮市場を潤わせていた闇ルート商品が激減し、朝鮮国内の経済状況は活力を失っている。「中国に見放されたら朝鮮は崩壊することは3歳の子供でも分かる」という皮肉もある。つまり情報封鎖された北朝鮮人も情勢の変化を感じ取っているのだ。
中国共産党政権は北朝鮮政権が長年頼ってきた「戦友」であり、経済的・軍事的な後ろ盾となってきた。しかし、4月に入って以降、中国とアメリカは同調して北朝鮮に圧力をかけている。金正恩に核を放棄させるために、石炭の輸入を中止し、石油の輸出を停止するなどの制裁を加えている。韓国政府は、中国が石油の輸出を3カ月停止すれば、朝鮮経済は混乱に陥ると予想している。
中国共産党の制裁はただの表向きの姿勢であり、朝鮮を放棄することはないとする分析がある。いっぽうで、中国が米中関係を犠牲にしてまでも中朝関係を重視する合理的理由はないとする分析も有力だ。米国の軍事的圧力とトランプ氏の貿易面での譲歩の前に、習近平当局は金正恩政権を見放すだろうと予想されている。
北朝鮮問題でますます強化される米中の連携
米国の朝鮮問題に対する態度はオバマ時代より強硬であり、原子力空母カールビンソン号も西太平洋まで到着した。トランプ氏は中国との連携を模索しつつ、中国側が不作為を続けるならば、米国が単独で北朝鮮問題を解決すると繰り返し主張している。
一方で北朝鮮は連日のように挑発行為を行い、「毎週、毎月、毎年のようにミサイル実験を行う」と主張している。もしアメリカが武力攻撃すれば「全面戦争」でもって反撃すると強硬姿勢を崩さない。だが金正恩の強硬姿勢は自分の首を絞める行為に他ならない。米日韓にくわえ、中国を敵に回し、四面楚歌に陥った金正恩は、まさに風前の灯となりつつある。 大紀元日本より
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